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お人好しではない ページ8

「今日も部活来たんですか」
「お恥ずかしいことに…」
お人好し。と冷めた目で私を見ているのは1年の国見君だ。どうやら突き指をしてしまったらしく、私も国見君も自分でやった方が早いのではと言ったのに及川君は「早くお仕事に慣れて貰わなきゃ!」となんだかよく分からないことをぬかすので、テーピング処理をさせてもらっている。

「先輩が言うこと聞きますなんて言わなきゃ良かった話ですね」
「あ、いや、明日もマネージャーするって言うのはもう決まってて」

じゃあ今の流れで何のお願いされたんだって顔だ。1年生なのに3年相手にここまでハッキリした態度を取れるのも才能の一種だと思うよ、だって今国見君の眉間のシワ凄いもん。人に向ける顔じゃない。









「じゃあ下の名前で呼んでいい?」
「へ?そんなの全然お易い御用で…」
「交渉成立〜」

昨日の公園、何故か私は松川君に下の名前呼びの許可を取られていた。そういえば3年間クラスが違った及川君は初対面から下の名前呼びだったのに、松川君はそうじゃなかったな。
というよりこれはただのご褒美では?松川君と距離が縮まることなんて、私にとっても嬉しい。デコピンされたのは忘れたフリをして…やっぱり松川君は優しいのかも!

「あ〜ずりぃ!俺も呼んでいい?」
「わっ、花巻君…うん、嬉しいし、むしろ呼んで!」
「はい俺も成立〜」

ピッ!と花巻君は松川君にピースをした。無表情なのが余計に面白い。

「岩ちゃんだけ俵屋呼びも変だよねえ…岩ちゃんもAちゃんを下の名前で呼ぶこと!」
「はあ!?そんなん俵屋の自由だべ」
「い、岩泉君!呼んでもらって大丈夫だから!」
「そうか…じゃあAって……おい何笑ってんだボゲェ!」

ニマニマしてる及川君と岩泉君が小さい公園で鬼ごっこを始めてしまう。部活のあとなのによく疲れないねえ…
近所のおばあちゃん気分で2人の逃走劇を眺めていると、隣に立っていた松川君から一瞬とんでもない負のオーラが溢れ出た。気が、する。

「…松川君?」
「なに?A」

しっとりとした、大人だなあってときめいちゃうくらいの優しい目でこっちを向いて微笑んでくれる松川君に…やっぱり気のせいかあなんて思ったりして。








「あの、黙りこくらないでください」
「あ、え!?ごめん私昨日のこと思い出してて」
変な人とでも言うようにため息をついた国見君は私を置いて練習を再開してしまうのだった。












「ねえ花巻…分かってるよね」
「さーせん」

花巻君が心配→←スイーツは美味しい



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設定タグ:青葉城西 , ハイキュー   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:さばぬき | 作成日時:2023年3月9日 15時

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