【HQ】マネージャーなんかやりません (ページ7)

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スイーツは美味しいページ7

最近どうですか、スイーツ。食べてますか。私は今袋にいっぱいのスイーツを抱えて公園のベンチに座っております。
「本当にいいの？」
「気にしないで食べな、全部俵屋のお菓子だから」
「そーそ…あ、シュークリームだけ半分こしよ」
「いいよいいよ！花巻君にシュークリームあげる！」
はいどうぞと大きいシュークリームを渡すと花巻君の目がキラキラに輝き出すのが面白かった。好物がシュークリームなんて、私よりも女の子で可愛らしいな。

「岩泉君もなんかいる？」
「いや、いい。ありがとな」

岩泉君はスイーツより唐揚げ串の方が良いみたいだ。両手に持った唐揚げ串をもぐもぐと無心で食べていた。それにしても男子高校生のひと口って大きいなあ。

「あれはどうしたら…？」
「ほっとけ、帰る頃には治ってるべ」
「岩ちゃんの馬鹿……」
及川君が主将で1番私をマネージャーに引きずり込んでしまったとはいえ、唐揚げ串含めて全額奢りまでするのはさすがに可哀想だったかな。いや、可哀想だな。
野良猫に餌付けをする様に食べようとしていたわらび餅を及川君に近づける。
「……いる？」
「Aちゃん！！！」
良かった喜んでくれたみたい。すっかり機嫌を治して(もしかして最初からそんなに気にしてなかったのかな？)みんなもAちゃんを見習ってだかなんだか岩泉君達に怒っては拳を入れられて沈んでいる

「折角俵屋に買ったのに分け与えすぎだろ」
「Aちゃんは優しいもんね〜だ」
口をとがらせて拗ねてるみたいな松川君が何だか子供みたいで、ちょっと、ちょっとだけ
「っふ……かわいい」

私が思わず吹き出すと松川君の動きがビタっと止まった。さながら石像のような硬直だ。
そ、そそ、そうだよね！？私みたいな女に可愛いなんて言われたくもないよね！？お菓子まで奢ってもらったのに(及川君のお金で)私、私なんて事を…

「いや、今のはそういう意味じゃなくて！」
「マジか！松川がかわいいって独特な感性」
「かわいくはないだろ」
「かわいいんだけど！あ、かわいいって言ってもなんていうか…」

ぶんぶんぶんぶん、手を横に振って否定する。機嫌治さなきゃ…松川君の機嫌……機嫌機嫌機嫌…

「松川君！やっぱ食べて！好きな物！！」
「あ、悪い…何？」
「そうだよね！？好きなスイーツ1個なんて悪口の対価に見合わないよね！？よし！私何でもおねがい聞きます、いや、聞かせてください！」
「…馬鹿なAサン」

私の額にコツンと、松川君のデコピンが放たれた。