【HQ】マネージャーなんかやりません (ページ14)

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平和がいいなページ14

『バカそうな坊主』って絶対この人だ。
先陣切ってこっちを睨みつける坊主頭にわなわなと震える。というより、今の発言は絶対に私たちが悪い。

「うちをあんま舐めてっと…『喰い散らかす』ぞ」

「ぴぎぃ…」

カラスが飛び上がって、坊主の他にも目つきの悪い人達が目線を私たちに飛ばす。どうしよう、訴えられても文句言えないよ、勝手に悪口みたいなあだ名で呼んで最後には頭の悪い坊主…弱小校呼ばわり…

「ごっ、ごごっ、ごめんなさっ…裁判だけは……」

ビビってると煽られてもええそうですビビってますとしか言いようがなく、金田一君のようにビビってねーよなんて反論する勇気があるはずもなく

「おいおいプルプル震え…ってハゥァ…ゥァ…ァ…！」

「な、なんですか！？私なにかしましたか！？いやっ、確かに何かはしたけど…」

「女子マネっ…素朴系っ…」

「っ…！おいコラ、うちの俵屋…いや、Aさんジロジロ見てんじゃねーよ！大丈夫っすかAさん、俺が守ってみせますから」

「危害を加える様子全くなさそうだよ…？」

私を認識すると固まってしまった怖い頭の悪い坊主さんは暫くしてあとから来た主将さんらしき人に頭をはたかれて去っていった。主将さんすごく謝ってくれたけど、どう考えたってこっち側のせいだからそんなに責めないであげて欲しいな……怖いから言わないけどさ。

平和にいこうよという私の意思も通じず、いつもの素直で愛らしい姿をどこかに投げ捨てた金田一君が向こうの黒髪の目つきの悪い人に話しかける。だからやめなさいって！

「そっちでどんな独裁政権敷いてんのか楽しみにしてるわ」

「ちょっ、ダメだって、あとで怒られてもっ「…ああ。」

王様(仮)は思ったより大人しい人らしい。

矢巾君に「そんなに危ない人じゃなかったねッ」とひそひそ話しかけていると金田一君は大人しいフリだと教えてくれたけど、うーむ、深いぜ……

「とりあえずもう行こう？ね？烏野さん達もすみませんでしたっ！試合よろしくお願いします！」

いえいえ全然…ともう一度頭を下げてくれた向こうの優しい人に頭を下げ返して、コラっ！と可愛い後輩達を叱って、校内へ向かう。

勝てるかな、試合。よりによって及川君がいないのに。
日曜日の練習で足を捻って「心配しないで！」と帰って行った及川君を思い出して、少し不安な気持ちになった。

(耳元でこそこそ話しかけて来た…好きだ…先輩、俺の事好きじゃん……)
「矢巾くーん！早く行くよ！」