【HQ】マネージャーなんかやりません (ページ2)

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始まらないでページ2

｢あれ、俵屋｣
｢松川くん！同じクラス？｣
新春、桜舞う季節。私と松川くんは同じクラスになった。
｢た｣と｢ま｣で名前順に座った時に私と同じく最後尾の席になった松川くんは私に気づき緩く笑う。

かっこいいな、松川くん…
バレー部だと及川くんばっかり注目されているけど他の人たちだって負けてないくらいいい人ばっかりだ。
｢去年の委員会ぶり｣
｢うん…い、1年間よろしくね｣
｢ん｣
2年生の時委員会で知り合ってからは特にそう思うことが増えた。それに松川くんが言うには及川くんは｢バレーだけ尊敬できるトンチキ男｣らしいし…いや、決めつけるのは良くないけど！失礼な考えを振り払うように私が頭を振っていると隣から小さく吹き出す声が聞こえてきた。

｢ごめん、ちょっと面白かった｣
｢からかわないでよ！恥ずかしいよ｣
｢だってすごい顔してたしさ｣

懲りず思い出し笑いをする松川くんにわざとらしくため息をついて私も笑う。
この時はまだ、あんなことになるとは思っていなかった
そう…あんなことに…なるなんて

｢松川くんバレー部だよね？｣
｢覚えてたんだ。そ、バレー部だよ｣
｢凄いなあ！私ね、やるのは苦手だけどバレー大好き！｣
｢…へぇ？｣
だから、目を細めて大人っぽく笑う松川くんの笑顔を見ても『大人の色気があるなあ』なんて軽く考えてしまったのだ。