僕たちのヌナ #2 (ページ21)

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単純ページ21

SC side

オフの日の朝、少し早く目覚めた俺の耳に入ってきたのは小さな声。

男の声じゃない事なんてすぐ分かるし、その声がAのものだってことを理解するのには一瞬もかからない。

Aの部屋へ近づけば近づく程大きくなるその声は確実に泣いていて、俺の歩くペースを急かす。

SC「A？」

Aの部屋の前、呼びかけるとピタッと止まる声。

それと同時に部屋の中から聞こえる扉に近づく足音。

開かれた部屋の中には目を真っ赤にして、大粒の涙を流すA。

SC「どうしたんだよ、」

『そんなの簡単に言えたらひとりで泣いたりしない。』

そのまま俺に背を向けてベッドに潜るAはダンゴムシみたいに丸まった。

一緒にベッドへ潜ってお腹に手を回すと熱いくらいの布団の中。

SC「何抱いてんの？ゆたんぽ？」

何も答えずに鼻をすするA。

お腹痛いのか？

SC「痛いなら痛いって早く言えよ、ゆたんぽも自分で準備したの？」

『、、、ｺｸｯ』

ゆっくり頷くAのお腹をさする。

しばらくすると鼻をすする音は聞こえなくなって、リズムのいい寝息だけが聞こえた。

昼間聞いた『今女の子なの』で察せるほど俺は鋭くない。

でも、スングァンやバーノン、ジョンハン、ドギョムの行動で分かる。

冷静に考えて、人間の体から毎日血が出て、それが1週間も毎月。想像しただけで頭が痛くなるこの現象に加えて体、心が疲れやすくなって集中力、判断力が低下し憂鬱になりやすくなり緊張しやすくなり孤独感を感じやすくなる。不眠になったり過眠なったり精神的症状が出て、体調にも支障が出る。

んなもん耐えられるわけが無い。

男の俺たちに言いずらいのかもしれないけど、人にはひとりで抱えずに話せと強要してくるくせに、自分はひとりで抱え込まなきゃ気が済まない、人に頼ることを知らないAに腹が立ちつつ、目の前で寝ている天使が抱えていることにこれからも俺が気づいて行けるか不安になった。

『、、、スンチョラ、』

ボソッと聞こえた寝言に不安に思ってた事全てぶっ飛んで愛おしい感情でいっぱいになった。

俺って単純だなあ、

単純 (終)