僕たちのヌナ

新しい人 ページ39

取り出されたカッターが私に向けられることは無く、ユルさんの腕に刃が当てられた。









『何してるんですかっ？！』









止めに入り、カッターを腕から引き離す。ユルさんも腕に力を入れ、自分で腕に傷を付けようとするから刃が揺れて私の手にたくさんの切り傷が出来る。









ユル｢あんた、終わりね笑｣









怪しく笑った後、結局自分で傷を作ったユルさんは廊下へ出て大きく悲鳴をあげた。



血の付いたカッターは廊下に転がり、ユルさんの腕からは血が滲んでいた。





メイクオンニやスタッフさん、メンバーも集まりただ事では無いことにみんなが気づく。



廊下に出た私を見て、軽蔑した様な目で見てくるスタッフさんたち。



それと比べてメンバーは、









SC｢A！大丈夫か？｣



『私は平気。』



DN｢平気って、何がですか！？こんなに怪我して、、、｣



『大丈夫よ。あの人ほど深くない。』



ユル｢えっ、どうして？私の心配は、？｣









ユルさんの元へ駆けつけて心配してるのはテレビ局のスタッフさん。



でも、ユルさんが求めてるのはメンバーからの心配で、不満そうな顔。









JS｢大怪我してる中こんな事言うの申し訳ないですけど、僕たちみんなユルさんの心配なんてこれっぽっちもしてません。｣



ユル｢なんで？！だって、私にカッターの刃を向けたのはこの女よ？！｣



JH｢それがもし、事実だとしても僕たちの心配の的は貴方じゃなくてAだ。例え、貴方が死んだとしてAが貴方を殺したとしても僕たちはAを選ぶ。



Aが殺人犯になろうが関係ない。僕たちみんなAが1番なんだ。Aがどんな人間であれ、僕たちはAが大切で愛してるんだよ。｣



ユル｢何それ、美しいメンバー愛？くだらない、、、笑｣



MG｢ヌナ、手当てしに行こう？血止まらないよ、｣



『ありがとう。イェジオンニ、写真取れました？』



イェジ｢もちろん。バッチリ。｣



『この件は会社に持ち帰らせて貰います。報道になろうと私を恨まないでくださいね？自業自得です。』









1週間後、まだ私の傷口が治らなくてみんなが私を心配してくれる中、テレビではユルさんの自作自演ニュースで持ち切り。









SG｢ヌナも怖いですよね。僕たちに近づく女の人達みんな結局ニュースになりますもんね。｣



JS｢僕たち大事にされてるんだね。報道見るだけでニヤけちゃうよ。｣









新しい人 (終)

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