僕たちのヌナ

違和感 ページ43

『ちょ、入ってこないでよ、』



SC｢こうでもしねえと話せないだろ｣









初めて入ったAの部屋はシンプルで、ものが少ない印象を受けた。



その中で目に付いたのは机の上に置かれた大量の紙。









SC｢これ、なに？全部仕事の資料？｣



『ソロの仕事のとか、ライブ衣装の事とか、スンチョルが今手に持ってるのはドラマのオファー』



SC｢、、、、これ全部受ける気？｣



『そんなわけないじゃん。SEVENTEENでの活動が最優先。被ってるのは全部断ってる。』



SC｢被んなかったら合間縫ってやるのか？｣



『そのつもり。SEVENTEENの宣伝のためにも1つでも多く受けたいと思ってる。』



SC｢お前ちょっと休め。｣



『何、急に』



SC｢働きすぎだ。今日も、上手くいかなかったんだろ？｣



『、、、、はぁ、なんでそんなに察しがいいの』



SC｢何年一緒にいると思ってんだよ馬鹿｣









今にも泣き出しそうな顔をしながら笑うAを見て胸が苦しくなった。



こうなる前に気づいてやれなかった、









『最近、表情が上手く作れなくて、今日も監督怒らせた。』



SC｢ほら、疲れが出てんだよ。ちょっと休め。お前が居ないとSEVENTEENは回んねえから｣



『そう、しようかな、、、作業室と練習室は行く。』



SC｢言うと思った。そこは折れてやるよ。｣



『ありがとう。』



SC｢ディノにも伝えておけ。あいつがお前の違和感に1番最初に気付いたんだぞ。｣



『いつからそんなに察しのいい子になったんだろ。』



SC｢もう俺らが知ってる高校生のチャニじゃないんだよ。｣



『寂しいね』



SC｢嬉しく思わなきゃ。｣



『、、、嬉しい』









眩しいくらいの笑顔でそう言ったA。SEVENTEENにはこの女神みたいな人が居なきゃ成り立たない。



そう再認識させられた。









SG｢アレ、なにしてんですか｣



SC｢愛情表現だろ。｣



SG｢にしては、嬉しくなさそうですけど｣









DN｢ヌナ、そろそろ離してください。｣



『なんで？嫌。』



DN｢僕、喉乾いたんですけど、｣



『そっか。』



DN｢・・・｣









きっと感謝を伝えたいんだろう。ずっとディノを抱きしめて離さないA。



もうちょっと上手く伝えろよ、ディノ嫌がってるのわかってないのかよ、









違和感 (終)

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