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「いこう、赤帝」

『承知』



一緒に特訓してわかったこと。
1つ目は赤帝が近接戦が得意ということ。
2つ目は五帝を構築していても、私は普通に火とかを構築できること。その分呪力は消費するけれども。



五帝それぞれに得意不得意があるんだ。
そのうち2人同時に構築することが出来るかもしれない。



私たちに向かってくる木を切りながら、特級に近づいていく。けど、切っても切っても、減らない。
一体どれだけの呪力量なのか。





「赤帝!」

『了』



後ろに回り込んだ赤帝が特級に向かって炎を纏った拳で殴る。でも全然効いた様子はなくて、傷一つもついてない。




「こんぶ!!」

「っ…!」




とげの声がしたと同時に私の脇腹を木が1本ものすごい速さで通り抜けた。
とげの声が聞こえなかったら危なかった。臓器1個持っていかれていたかもしれない。




「すじこ」

「うん、走ろう」




攻撃が通る通らないは置いといて、まず誰かと合流したい。
今はとげの呪言のおかげで攻撃が当たってるけど、とげだって限界は来る。相手が特級ともなれば早いうちに。


赤帝に伸ばされた木を焼き切ってもらう。
相手は木を操ってるよね、あれは自分の出した木?
それともそこらにある木も操れる?



「ぃっ…!」



そんなことを考えていたら鋭く尖った木の1本が私の太腿を掠めた。幸い足は動く、まだ走れる。
考え事しながらだとダメ、本能に任せて斬る。
今は集中。




「" 動 く な "」

「赤帝!!」




私の呼び掛けに答えて赤帝が次々に攻撃を仕掛けていく。それに続いて私も1度持っていた短刀を投げて
もう一度百虎で短刀を構築する。


攻撃が額のつのみたいなのを掠めた時、今まで効いてないように見えた攻撃が少し効いた。


あそこが弱点?ならそこを…!



もう一撃、と手を振りかざした時、横からの攻撃。
それが私の脇腹に当たって、気づいた時には吹っ飛ばされていた。




「げほっ、げほ…」


口の中の血を吐く。
咄嗟に呪力で身体を覆ったのが良かった。それがなかったらちょっとやばかったかもしれない。



迫ってきていた木の塊みたいなのを避けてとげと一緒に走り出す。
そのまま少し走ると森をぬけて、建物がある場所へ出た。








屋根の上に飛び乗って走り続ける。
相変わらず呪霊の猛攻はやまない。




屋根を走り抜けていると先程より少し大きな木が、私たちの頭上をおおった。




その時、下の方から聞きなれた声がした。

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作者名:さんめーとる | 作成日時:2021年3月8日 18時

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