9 ページ9
「いこう、赤帝」
『承知』
一緒に特訓してわかったこと。
1つ目は赤帝が近接戦が得意ということ。
2つ目は五帝を構築していても、私は普通に火とかを構築できること。その分呪力は消費するけれども。
五帝それぞれに得意不得意があるんだ。
そのうち2人同時に構築することが出来るかもしれない。
私たちに向かってくる木を切りながら、特級に近づいていく。けど、切っても切っても、減らない。
一体どれだけの呪力量なのか。
「赤帝!」
『了』
後ろに回り込んだ赤帝が特級に向かって炎を纏った拳で殴る。でも全然効いた様子はなくて、傷一つもついてない。
「こんぶ!!」
「っ…!」
とげの声がしたと同時に私の脇腹を木が1本ものすごい速さで通り抜けた。
とげの声が聞こえなかったら危なかった。臓器1個持っていかれていたかもしれない。
「すじこ」
「うん、走ろう」
攻撃が通る通らないは置いといて、まず誰かと合流したい。
今はとげの呪言のおかげで攻撃が当たってるけど、とげだって限界は来る。相手が特級ともなれば早いうちに。
赤帝に伸ばされた木を焼き切ってもらう。
相手は木を操ってるよね、あれは自分の出した木?
それともそこらにある木も操れる?
「ぃっ…!」
そんなことを考えていたら鋭く尖った木の1本が私の太腿を掠めた。幸い足は動く、まだ走れる。
考え事しながらだとダメ、本能に任せて斬る。
今は集中。
「" 動 く な "」
「赤帝!!」
私の呼び掛けに答えて赤帝が次々に攻撃を仕掛けていく。それに続いて私も1度持っていた短刀を投げて
もう一度百虎で短刀を構築する。
攻撃が額のつのみたいなのを掠めた時、今まで効いてないように見えた攻撃が少し効いた。
あそこが弱点?ならそこを…!
もう一撃、と手を振りかざした時、横からの攻撃。
それが私の脇腹に当たって、気づいた時には吹っ飛ばされていた。
「げほっ、げほ…」
口の中の血を吐く。
咄嗟に呪力で身体を覆ったのが良かった。それがなかったらちょっとやばかったかもしれない。
迫ってきていた木の塊みたいなのを避けてとげと一緒に走り出す。
そのまま少し走ると森をぬけて、建物がある場所へ出た。
屋根の上に飛び乗って走り続ける。
相変わらず呪霊の猛攻はやまない。
屋根を走り抜けていると先程より少し大きな木が、私たちの頭上をおおった。
その時、下の方から聞きなれた声がした。
420人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さんめーとる | 作成日時:2021年3月8日 18時