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ゆうじがポーズを決めたまま、1人百面相をしている。


「おい」

「あ、はい」

「何か言うことあんだろ」

「え」


目に涙が浮かんだのばらから発せられる圧に、ゆうじがたじろぐ。


「黙っててすんませんでした…生きてること…」



こうして、ゆうじは合流した。


と、私はそんな軽々しく現実を受け入れられる訳でもなくて。


だってゆうじは死んで、でもここにいて。
頭がぐるぐるしてきた。
あれは本当にゆうじなの?わかんない、わかんないから確かめなきゃ。




「えっっ、とぉ……A?どうかし_」

「いき、てる」



ゆうじに抱きつけば、ほんのり感じる温かさ。
背を伸ばして心臓に耳を当てれば、あの時とは違って聞こえる拍動。
あの時なかった左手も、心臓も。今、ここにある。
この世界で、ゆうじが、生きてる。




「ゆうじ、いきてる…いき、て…!」

「…うん。俺、生きてるよ。ごめん、心配かけて」

「ゆうじ、また、あえ、た…あいた、かったぁ…」

「俺も、Aに会いたかった」



一度溢れた涙は止まらない。
ゆうじにすがりついて泣きじゃくる私の背中をゆうじがさする。
私の目じりに溜まった涙をゆうじが拭う。





「おか、えり…ゆうじ」

「ただいま、A!」




また貴方の満面の笑みが見れたこと、私がどれだけ嬉しいか、きっとゆうじはわかんないんだろうな。




「感動の再開のとこ悪いんだけど、そろそろ説明初めよっか。ほら、Aこっちおいで?僕の胸にも飛び込んできていいんだよ?」


「あと、で」


「振られてるじゃない。ざまぁないわね、あんた」


「何、歌姫。僕になんか恨みでもあるの?」


「あるに決まってんだろ!」



「静粛に!ルール説明を始める。
京都姉妹校交流会一日目、団体戦。"チキチキ呪霊討伐レース"!指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に払ったチームの勝利となる!区画内には三級以下の呪霊も複数放たれており、日没までに決着がつかない場合は討伐数の多いチームに軍杯が上がる。それ以外のルール一切無し!」




ギリギリとさとるを締め上げながらがくちょーがいう。




「勿論妨害行為もアリなわけだが、あくまで君たちは共に呪いに立ち向かう仲間だ。交流会は競い合いの中で仲間を知り、己を知るためのもの。相手を殺したり、再起不能の怪我を負わせることのないように。
__以上、開始時刻の正午まで解散!」




こうして、突然参加のゆうじを交えて、波乱の京都姉妹校交流会は幕を開けた。

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作者名:さんめーとる | 作成日時:2021年3月8日 18時

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