2 ページ2
ゆうじがポーズを決めたまま、1人百面相をしている。
「おい」
「あ、はい」
「何か言うことあんだろ」
「え」
目に涙が浮かんだのばらから発せられる圧に、ゆうじがたじろぐ。
「黙っててすんませんでした…生きてること…」
こうして、ゆうじは合流した。
と、私はそんな軽々しく現実を受け入れられる訳でもなくて。
だってゆうじは死んで、でもここにいて。
頭がぐるぐるしてきた。
あれは本当にゆうじなの?わかんない、わかんないから確かめなきゃ。
「えっっ、とぉ……A?どうかし_」
「いき、てる」
ゆうじに抱きつけば、ほんのり感じる温かさ。
背を伸ばして心臓に耳を当てれば、あの時とは違って聞こえる拍動。
あの時なかった左手も、心臓も。今、ここにある。
この世界で、ゆうじが、生きてる。
「ゆうじ、いきてる…いき、て…!」
「…うん。俺、生きてるよ。ごめん、心配かけて」
「ゆうじ、また、あえ、た…あいた、かったぁ…」
「俺も、Aに会いたかった」
一度溢れた涙は止まらない。
ゆうじにすがりついて泣きじゃくる私の背中をゆうじがさする。
私の目じりに溜まった涙をゆうじが拭う。
「おか、えり…ゆうじ」
「ただいま、A!」
また貴方の満面の笑みが見れたこと、私がどれだけ嬉しいか、きっとゆうじはわかんないんだろうな。
「感動の再開のとこ悪いんだけど、そろそろ説明初めよっか。ほら、Aこっちおいで?僕の胸にも飛び込んできていいんだよ?」
「あと、で」
「振られてるじゃない。ざまぁないわね、あんた」
「何、歌姫。僕になんか恨みでもあるの?」
「あるに決まってんだろ!」
「静粛に!ルール説明を始める。
京都姉妹校交流会一日目、団体戦。"チキチキ呪霊討伐レース"!指定された区画内に放たれた二級呪霊を先に払ったチームの勝利となる!区画内には三級以下の呪霊も複数放たれており、日没までに決着がつかない場合は討伐数の多いチームに軍杯が上がる。それ以外のルール一切無し!」
ギリギリとさとるを締め上げながらがくちょーがいう。
「勿論妨害行為もアリなわけだが、あくまで君たちは共に呪いに立ち向かう仲間だ。交流会は競い合いの中で仲間を知り、己を知るためのもの。相手を殺したり、再起不能の怪我を負わせることのないように。
__以上、開始時刻の正午まで解散!」
こうして、突然参加のゆうじを交えて、波乱の京都姉妹校交流会は幕を開けた。
420人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:さんめーとる | 作成日時:2021年3月8日 18時