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｢なっ、なんで皆手ぶらなのー！？｣
姉妹校交流会当日の朝。
大きなキャリーケースを持ったのばらが叫んだ。
｢オマエこそなんだその荷物は｣
｢何って…これから京都でしょ？京都で姉妹校交流会…｣
｢京都の姉妹校と交流会だ。東京で｣
｢うそでしょ〜！？｣
だから、最近のばらと話が噛み合わなかったんだ。
｢去年勝った方の学校でやんだよ｣
｢勝ってんじゃねーよ！！｣
｢俺らは去年出てねーよ。人数合わせで憂太が参加したんだ｣
｢"里香"の解呪前だったからな。圧勝だったらしいぞ｣
｢許さんぞ乙骨憂太ー！！あったことねーけどよぉ！｣
それ聞いたらゆうたは本当に泣き出しそう。
この話は黙っといてあげよう。
｢おい、来たぜ｣
まきに言われて振り返ればそこには京都校の面々。
東京校とはまた違って個性的。
特にロボットがいることなんて驚きだ。
仲はそんなに良くないのか、内輪で喧嘩していると、後ろから京都校の先生、庵歌姫がやってきてその場を収めた。
｢うたひめ…！｣
｢あら、A。久しぶりね、元気だった？｣
こくりと頷ずけば、｢かわいい！ダメよ、
｢で、あの馬鹿は？｣
｢悟は遅刻だ｣
｢
｢誰もバカが五条先生のことだとは言ってませんよ｣
この言われっぷり。
うたひめの｢五条悟がストレス｣という言葉は冗談では無いかもしれない、というか本心からの言葉かもしれない。
｢おまたー！！｣
噂をすればさとるが何か大きな箱を荷台に乗せてやってきた。
それを見て、うたひめが舌打ちする。隣にいるめぐみは死んだ目をしていた。
｢やぁやぁ皆さんお揃いで。私、出張で海外に行ってましてね｣
｢急に語り始めたぞ｣
｢はい、お土産！京都の皆にはとある部族のお守りを。あ、歌姫のはないよ｣
｢いらねぇよ！！｣
相変わらず、さとるはうたひめを敬わない。
もうこのやり取りも慣れてしまった。
｢そして東京都の皆にはコチラ！！｣
｢ハイテンションな大人って不気味ね｣
その時、バコッ！と音がして、荷台の上の箱が開かれる。
｢故人の虎杖悠仁君でぇーっす！！｣
｢はい！！おっぱっぴー！！｣
めぐみとのばらは、それを虚無の目で見るしかできなかった。
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作者名：さんめーとる | 作成日時：2021年3月8日 18時
