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「誘惑なんてしてない!言われた通り、ちゃんとパ
ーカー着てたじゃん」
そういうと
「お前ほんとムカつく」
また風磨が不機嫌
なんで?!
と言う顔で健人に助けを求めると
「Aは可愛いから、パーカー姿が逆に萌える
って話題になっちゃったんだよ」
困ったように笑う健人
総くんのいってたあれか。
「でもA今日海入ってないでしょ?だから俺
らで海に引き込んだの」
ごめんね、なんて
ウィンク付きのキメ顔で謝る健人
風磨といい健人といい
この人たちは本当に…
小さい子供が自分のおもちゃがとられるのが
面白くないように
わたしと他人が関わることを極端に嫌がる
まぁ健人の方が風磨より随分マシだけど
なんだか理不尽な気がして
「風磨!」
バシャッ!!!
腹いせに振り返った風磨に向かって
波をすくいあげ
海水をかけてやった
「おまっ!!ふざけんなよ!!」
目に染みたようで片手でで顔を覆って
そのまま狙いなんて定めずに
海面を乱暴に叩き
辺りに海水をまき散らした
「きゃーーーー!!」
目の前のわたしは
おもいっきり避けてしまった
バシャッン!!!
わたしのすぐ後ろにいた健人を振り返ると
「…お前らふざけんなよ」
こんな時でも不敵な笑みを浮かべた健人
いつも決まっている髪型は
頭から海水をかぶって
まるで今まで海底に潜っていたかのように
無残な姿になっていた
「「あはははははははは!!」」
笑いが止まらない風磨とわたしに
「まじで許さねぇ!」
滅多に怒らない健人がキレた
10代の笑いのツボなんて本当に浅くて
くだらないことでいくらでも笑えた
そこからは3人の泥仕合になって
馬鹿みたいにはしゃいだ
パシャ
そんなわたしたちの姿を
舞が砂浜から
わたしのカメラを使って
写真に残していたのを知るのは
後になってから
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作者名:莉梨 | 作成日時:2018年10月22日 23時