嫉妬 ページ5
風磨には
お前は嫉妬深いって言われた
自分でもわかってる
それでも大学での
Aの人気はとどまることを知らず
俺だってアイドルだけあって
騒がれる学生生活だったけど
やっぱり目の前で自分の彼女が
自分の存在を隠して
もてはやされる
いい気がするわけない
Aの隣にいると
嫌でも彼女に向けられた視線が目に入る
アイドルって仕事柄
自分に向けられる視線には
もう慣れた
俺に気がついた生徒が
少しざわつくのを感じるけど
俺だけじゃない
隣のAに注目が行くのを
大学に入って強く感じるようになった
「あっち空いてるよ?」
なんて中央の割と前列の座席を指差すA
「いや、もっと後ろがいい」
だってそんな目立つところにいたら
またAに注目がいく
これ以上Aに向けられる視線を
増やしたくない
人の少ない後ろ側の席に着いた
なんでこんなにめんどくさい目にあうのに
付き合ってること秘密にしたいんだろ
だってこうしてAの隣に俺がいても
「隣いいかな?」
なんてAの俺とは反対側の隣に回って
話しかけてくる男がいるんだから
まじでふざけんな。
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作者名:莉梨 | 作成日時:2018年7月5日 2時