明け方の余韻 ページ33
長い付き合いの中で
隅々まで知り尽くした
Aのからだ
「A」
名前を呼ぶだけで
次に何をするのかわかってしまう
彼女の服を脱がせるのにそう時間はかからない
女性特有の白くて柔らかい肌に触れれば
一瞬にして赤く色づき
彼女のからだ喜ぶ場所を攻めれば
何度も絶頂へ達した
俺の意図するように声を上げて
乱れる彼女に
満たされなかった気持ちが
満たされていくのがわかる
彼女を支配するのは俺
溺れているのは…
「A、限界」
いい?と囁いた言葉に
相変わらず甘い声を上げる彼女は
もう答える力がないようで
かすかに頷いてみせた
それを合図に
俺たちは深いところまで
2人で溺れて落ちる
華奢なからだで
俺の全てを受け止める
軋むようなこの行為を
愛しくてたまらない
お互いに果てた後
時計を見れば明け方にあたる時間
真っ暗だった部屋は
かすかに陽の光を取り込み始めていた
ベッドに横たわる俺の隣
俺の腕を枕にして綺麗な寝顔をみせる彼女
あくまで病み上がりの彼女に
あろうことか全てをぶつけ
激しさは時間とともに増し
彼女を乱れさせた
からだ大丈夫かな。
顔にかかる髪をそっとなでてあげる
「ん…」
規則正しい寝息を立ていた彼女から
漏れた声
「ごめん起こした?」
こんなに幸せな朝があるから
大切にしたいAのこと
俺の問いかけに
目を開け綺麗に微笑んだ彼女
大丈夫。
そう答えた彼女の声は…
「A…声!」
Aもハッとしたように眉毛を下げて
俺を見つめる
「ごめん…昨日鳴かせすぎたね(笑)」
こんなやり取りでさえ愛おしい
照れたように俺の腕枕に顔を埋める彼女
「絶対、亜梨沙と翔にバレちゃうよ」
「え?昨日学校行くつもり?」
「体はもう昨日から平気だもん」
「熱は?」
彼女の額に自分の額を押し付ける
「ない…な。声もそんなんだし、風邪って事にし
てもう一日休んだら?」
「でも健人は今日講義受けるんでしょ?」
仕事との両立でただでさえ休みがちな俺は
出来るだけ顔を出せる時に単位を取る必要がある
この甘い時間をまだ感じていたいけど
そうもいかない
「だな」
「健人がいくなら行きたい。このまま1人になん
てやだよ。」
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作者名:莉梨 | 作成日時:2018年7月5日 2時