答え合わせ ページ31
「A」
相変わらず甘えたの健人は
私に全体重をかけて
肩に口付けながら話すので
少し声がくぐもっている
「何？」
「聞きたいことも話したいこともある」
私のお腹に巻きつけた手の力が
ぎゅっと強くなるのを感じる
「うん。全部、全部ちゃんと話そう？もう健人と
気持ちが離れるのはやだよ」
そういうと
健人はの体を引き寄せ
向かい合わせになってまっすぐに
私を見つめる
「付き合ってること内緒にしたいって言ったのって
さ。ちゃんとAなりの理由があるんだよな？
それちゃんと教えて？俺、Aにそう言われた
の実はショックでさ。かっこ悪いけどちゃんと理由
聞けなかった。」
健人の言葉を聞いて
どうしてこんな簡単なことですれ違ったんたろう
こんなにもお互いが好きなのに
言葉にしないと伝わらないんだ
高橋さんに言われた通り
「健人ごめんね。勝手だと思うかもしれないけ
ど、付き合ってることを内緒にしたいって言ったの
は私に健人の彼女だって名乗る自信がなかったか
らだよ。大学入って私達のこと知らない人たちが、
健人のこと噂するのに耐えられなかったの。もし
付き合ってるって話が広まった時、健人の人気に
影響しちゃったらどうしようって。でもね、心のど
こかでいつもみたいに健人が妬いてくれるんじゃ
ないかって期待してたの。ずるいよね。」
そこまで話すと腕をそっと引き寄せられ
健人の男らしい胸板に
顔を埋めていた
言葉にしないと伝わらない事もある
だけどこうして
言葉をなくして伝わり合う思いもある
こんなにも簡単に相手が見えなくなって
もがいて
苦しんで
迷って
疑って
だけど
お互いの愛する気持ちが確かにあれば
私たちきっと
こうして何度でも
気持ちを確かめ合うんだ
他の誰でもない
健人だからこんな気持ちになる
あなたはとても嫉妬深い
だけど
わたしの方こそ
もうあなたを手放せないくらい
あなたを取り囲む全てに嫉妬してるの
どうかわかってね
あなたなしではもう生きていけないほど
わたしはあなたを愛してる
その気持ちをぶつけたくて
健人の両頬を掴んで
わたしからキスをした
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作者名：莉梨 | 作成日時：2018年7月5日 2時
