Mr.jealousy (ページ29)

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甘い誘惑ページ29

Aside

「…んっ、はぁっ」

長い口づけに呼吸を合わせることができず

1人だけ息の上がった私

「ん…健人…誰か来たら…」

声を抑えようと

必死に抵抗してみるものの

健人の舌が私の唇をノックするのを合図に

部屋中に聞こえる水音を響かせて

舌で絡め取るようなキスをする

「…だ、っめ…」

「A、誰か来たらすぐやめるから…」

甘い吐息に混じって

口角を上げて私の名前を呼ぶ

この鼻にかかった声が好き

大切なものを扱うように触れる

逞しいのに男の人にしては綺麗な指先が好き

少し眉を下げて細めたときの

優しい瞳が好き

身体中の熱が上がって

内側から鼓動を感じる

全身で健人を感じて

健人に溺れていく

見上げた健人は私の大好きな笑顔を見せた

この瞬間がたまらなく愛おしい

目に、耳に、首に、胸に

わざとらしくリップ音を響かせながら

私の体を確かめるように触れる

例えようのない快感が

体を駆け巡る

甘い雰囲気にのまれて

ここが大学の医務室だということを

忘れてしまいそうになる

その時

健人の私に触れていた動きが止まる

扉の向こうで音がした

…誰かくる