本当のわたし ページ20
「だよね？」
そう言って優しく微笑む亜梨沙
健人の事になると
馬鹿みたいだと自分が時々嫌になる
そんな時亜梨沙は
好きっそういうものでしょ
健人の事好きなAは可愛いよ
いつもそう言ってくれる
「それ(笑)すげー可愛いじゃん。」
ヨシヨシしたい！おいで！
なんてニタニタした顔で手招きをする翔
「やだよ！なんか気持ち悪いよ翔！」
「き、気持ち悪いってなんだ！」
あからさまに
信じられない！と
オーバーなリアクションをする翔
「俺だってこれでもモテるんだぞ！？この間だって
合コ…ン…！？」
急に真顔になる
いやなんでもない。
そう言って話すのをやめた翔
こんなにわかりやすく
しまった。
という顔する人いるんだ
「今合コンって言わなかった？」
亜梨沙は聞き逃さない
視線だけで翔の全てを支配している
「…ばか！その合コンじゃねーよ。合コンって、合
同コンクールだよ！！」
「何のだよ！」
バチッ
本日二度の翔の額が奏でた音
「あんた私がいて、合コンの話題が出るわけ？」
始まった2人の喧嘩は
やっぱりどこか羨ましい
わたしも健人と言いたいこと
こんな風に言い合えたら
こんな事にはならないのかもしれない
人気者の彼に嫉妬したって仕方ない
健人にこんな気持ち知られたら
困らせるか
めんどくさいだけだ
だけどこのままじゃダメだって
最近すれ違ってばっかりだけど
それでも健人が大好きだって伝えたいよ
その時また手の中の携帯が鳴る
ディスプレイには爽太くんの文字
健人じゃないことに
がっかりしてる私は
重症だと思う
爽太くんとはたまたま隣に座ったのがご縁
どうやら美容室が同じだったらしく
前に隣に居合わせたことがあるらしい
私のことを覚えていた彼から声をかけられた
この春からこっちへ越してきたという彼に
よければこの辺のこといろいろ教えて欲しいと
連絡先を聞かれる
これから先も会うであろう彼
なんだか断るのも感じわるいよね
だけど健人が隣にいる手前
あんまり聞かれたくなくて
爽太くんと少し距離を近づけた
初めて爽太くんから連絡がきた日
私は泣いて健人の家を飛び出した日で
返事を返す余裕がなくて
健人のことで頭がいっぱい
私ったらすっかり返事を忘れてた
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作者名：莉梨 | 作成日時：2018年7月5日 2時
