(∞人目) (ページ32)

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戦いページ32

起きたと思ったらAはぼーっとしたまま動かなくなった。

『はぁ、よかった。

このまま死ぬかと思った。』

『…』

『A？わかるか？病院やで。』

『なんで…』

『うん？どしたんや？』

『なんで、殺してくれへんかったん。

もう、ほっといて欲しかった。』

『A？』

『このまま生きるほうが何倍も辛い。

どうせやりたいこともできないし。

それなら、殺してくれた方がマシやった。

どうせ心中でまた笑ってるんやろ？

なんで…なんでっ！』

そのままAが涙を流しながらすばるを叩く。

こんなA初めて見た。

なんとも言われへんかった。

すばるもびっくりしててただされるがまま。

雛は戸惑いながらそれを止めに入った。

しばらくしてAは、泣き疲れて寝てしまった。

その日からAは、暴れることはしなかったけどまるで感情を失ったように

ただ一点を見つめて、ロボットようになった。

それから2週間、入院させてもらってたけど

病室が足りてないとかで、ほぼ強制的にAは、

退院となった。

言うても俺らもやらなあかんこととかあるから

レッスン終わって1日1回誰かが見に行く生活を送った。

そうじゃないとAは、何も食べようとせえへんから。

そんなある日、雛からまた連絡があった。

またAが首を吊って死のうとしていたと。

俺らが駆けつけた時にはもうAは、ベットで寝ていたけど

部屋は荒れ、雛も疲れていた。

相当、暴れたらしい。

俺は次の日暇やったから雛を帰して

すばると2人になった。

その時Aに何があったのか聞いた。

それを聞いた瞬間、俺は最低な父親からAを守った上げなあかんと思った。

それは、すばるも雛も同じ思いやったと思う。

だから、耐えられた。

それから俺らの前で暴れたといえば一回だけ。

自分の部屋にあるピアノをみて

急にそばにあるものを投げ出した。

俺らはそれがAの父親がAを支配していたものの１つとわかり

すぐに処分した。

それからは、暴れることなくなりだんだん回復に向かっていった。

Aの暴れるはただ暴れるということじゃなくて

何かを恐れて戦ってるように見えた。

だから、その背景にある父親をどうにかしなければという思いがあった。