(∞人目) (ページ22)

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greenのおもいページ22

green side

Aさんは俺の中で憧れやった。

才色兼備、容姿端麗

そんな言葉が似合う人で、勉強も、なんでもできた。

最初は下手くそなダンスやって1ヶ月したらめっちゃうまくて、

ちょっとしたら俺らが憧れてたすばるくん、横山くん、村上くんのグループにおって

ほんまにうらやましかった。

やすとやってるバンドでドラム叩いてるAさんはめっちゃかっこよくて

才能かと思ってたけどコツコツ努力してて

その姿がめっちゃかっこよくて俺はファンみたいなもんやった。

やけど、やすから話聞くだけで少しくらいは話したりしたことがあったけど

人見知りが作動して長く喋られへんかった。

初めていっぱい喋ったのは、Aさんが入って半年くらいしてからやった。

俺は何しても舞台に出られへんくて、

同期やのに、やすとかテレビに出れてるの見て

ほんまに思い悩んでて、

そしたらある日Aさんがなんでか家に誘ってくれて、

ご飯振る舞ってくれて、俺のことめっちゃ褒めてくれて

悩み聞いてくれて今はしんどいと思うけどお互いデビューできるよう頑張ろうって

真剣に励ましてくれた。

それが、俺にはめっちゃ響いてほんまに、頑張らな！って思えた。

やから、その日ジャニーさんに呼び出されて

舞台出ちゃいなよって言われた時は

死ぬほど嬉しかった。やっとや！って。

…Aさんの代わりにって聞くまでは。

ここまでやってきた努力が無駄になってまう

そう思ってはい、っといったものの

Aちゃんに合わす顔ないって思った。

その後Aさんがジャニーさんに抗議にいく声も聞こえてて申し訳なくて

嫌われたし恨まれてると思った。

やから、その数週間後

Aさんからドラム教えてもらうって聞いた時

嬉しかったけどどう言う気持ちで2人で居ればええかわからんくて怖かった。

Aさんは通常営業やったけど、俺は緊張して

正直、もう適当にやってドラムやらんでええかなとも思った。

でも、それがAさんにはバレてた。

『ちょっと、休憩しよか。』

「…はい」

と言ったものの気まづくて俺は外に出て行こうとする。

『たつっ！ちょっと、話せる？』

それで俺は座らせられた。