(∞人目) (ページ20)

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絶望の日ページ20

black side

その日はいつもの練習でジャニーさんが見に来てて

で、Aはあんだけ言うてもバイト続けてて

それで練習は途中参加の予定やった。

休憩の時

ジャニーさんがいきなり大倉を呼び出した。

帰ってきた時、大倉はなんや複雑な顔してた。

『え、うそやん？

すごいやん！チャンスやで！頑張れや！』

やすが叫ぶ。

「なんて言われたん？」

『大倉、数ヶ月後にドラム出来てたら出したるやって！』

『え！すごいやん！』

「…え、それってAは？」

『…それは…』

『おはようございまーす！

あっ、なぁ！すばるー？

バンド曲のやつやねんけどこのアレンジめっちゃ良いからこれやってみようやー？』

タイミングが悪くAが入ってきた。

そして少し遅れてジャニーさんも入ってきた。

『ちょっとyou達集まって。

はい、これ。次のメンバー。

よく見て来月には仕上げてくるようにしといてね。』

紙が回ってくる。

緊張感がでてくる。

…あ、よかった、入ってる。

安心して全体に目を通す。

バンドのところ、普通と違うのはドラムのところがAじゃなくて大倉になってる。

他にもAが入る予定やったとこが消えて、

4人で踊るはずのところ、すばると雛と俺になってて…。

ジャニーさんが部屋を出て行くのをおってAもついていく。

『ちょっと待ってください。

こんなん納得いきません。大倉ドラム出来ないですよね。

やのに、なんで大倉なんですか？』

『…you何か勘違いしてない？

自分が出れるのが当たり前って。

確かにyouはドラムができるかもしれないけど練習もサボって…。

そんな人より彼に惹かれたから、そうしただけだよ。

だから、youは今回彼らをサポートしたあげる係、わかった？』

『…はい。』

Aは、今にも泣きそうな顔しながら

俺らのとこ戻ってきた時には気まずくならんように

笑顔で振る舞った。

やけど、俺にもわからんかった。

誰よりもダンスは仕上がってたし、

ドラムだって初心者よりあいつにやらす方がいい感じに聞こえるのに…。

泣きそうな気持ちを堪えて笑顔を振る舞うAを見てられへんくなって

その夜、俺らはAを飲みに誘った。