ペットシッター (ページ46)

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実家ページ46

次の週から俺は3日、休みをもらった。

正式に言えば精神的に不安定やから休ませなあかんと、

丸や亮ちゃんが頼んでくれたらしい。

ほんまは俺よりも村上くんや横山くんの方が休みが必要やねんけど、

あの二人より仕事できる自信ないし、

色々なとこから抜け出したくて俺は実家に帰った。

俺は、やすの話聞いて、ムカついたのはほんまやけど

その時見たやすの顔が誰に接するときよりも優しい顔してたから

なんか、もうええや。ってなって、これ以上行っても無駄な気して、その場からそそくさと逃げた。

いきなり実家に帰ったもんやからオカンは、めっちゃびっくりしてたけど

久しぶりに帰ってきた息子の帰りをすぐに喜んで受け入れてくれた。

俺は、リビングでぼーっと母親の料理を作る姿をみて、

あぁ、そういえば、Aちゃんは、やすがおらんなっても料理を作ってるんやろか

なんて不意に彼女の存在を思い出し、

諦めるって決めたやろ。と自分に聞かせる。

『いつまでおれるん？』

「んー、3日もらってるから今日と明日は泊まる～」

『そう。』

不意にオカンが俺の視線に気づく。

『なに？なんかついてる？』

「え、あー、おかんやなぁって思って。」

『なにそれ』

一度は作業を止めたものの

もう一度再開させ、

でもやっぱりおかんは、息子の変な様子に違和感を感じ

恐る恐る聞く。

『忠義、どうしたん？』

「だから、なんもないって笑」

『いや、あんたが家帰ってくるなんて滅多にないのに…。

仕事、なんかあったん？』

「・・・

すばるくん、やめるんやって。」

その時、キッチンで何かをしてたおかんはわかりやすく動揺し

俺の目の前に座り真面目な顔で聞いてくる。

『きちんと話し合いはしたん？』

「…したよ、何回も。

でも、無理やったわ」

そう言うと、じゃあしょうがないと言うふうに立ち上がり

『そう。』

と一言だけ言ってどっかに行った。

そっからは、何も聞いてくることはなかった。

だから、俺はただ休みをもらい実家に帰ってきた息子になれて

とても気が楽だった。