ペットシッター (ページ44)

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真実ページ44

それから、寝られへんくてぼーっとしてたら

２時間も経ってたのに気づいて慌てて看護師さんに声かけて病室を出る。

時刻はもう0:00。

シーンとしてる病院の中のやすの部屋を探す。

起こしたらあかんかなぁ、っとそっとドアを開ける。

でもあいつは、窓をじーっと見つめてた。

「寝られへん？」

俺がそう言うとさっとこっちをみた。

『大倉、大丈夫なん？』

「おん。」

俺は自分の心配よりお前の方やろって心の中で突っ込みながら

そっとやすの隣に座った。

『ライバルやと思ってたんじゃなかったん？』

「一旦、休戦や。」

『はは笑そっか。

・・・ありがとう、な。色々。』

「無駄やったけどな。

お前最初からすばるくんのこと賛成してたもんな。」

『うん』

「すばるくんのこといつ気づいてたん。」

『…一昨年かな。

俺、すばるくんの一時期同居みたいなんしてたし

その時から俺はアイドルなんて長く続けるつもりない言うてたし

一昨年から、すばるくんが関ジャニ対してなんか思いが変わってるなって思ってたから、

そろそろなんかなって。』

「そんなにはやくわかってたんや。」

『うん。

ごめんな、でも本人の口から聞きたいと思って言わんかった。』

「…俺さ、今回のことがあってすばるくんを止めたけど

それはやすのこと、心配してたのもあるけど、

結局は、自分の為やったんやと思う。

チームを引っ張ってくれてる人がおらんくなるのがめっちゃ怖かった。

俺は、謝られることなんもしてない。」

『そんなことないよ。

誰かが反対しなあかんかったことやん。

ファンのことを考えて誰かが止めなあかんかった、

それに怖いのは俺も一緒。

やけど、デビューできるかわからんところからここまでやってこれたんやもん。

内がおらんなってからだって、みんなで、やってこれてるやろ。

俺にはみんながおるから、心から渋谷んを送り出せたやんと思う。』

「そうやな。」

またしばらく沈黙が流れる。

『そんなん言うて、俺はAのこと、ちゃんと向き合ってないんやけどな。』

次にやすが話し始めたんは、Aちゃんのことやった。