ペットシッター (ページ37)

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戦闘開始ページ37

Aちゃんの家から歩いて30秒の家のチャイムを鳴らす。

ピンポーン

ピンポーン

二回押してもかえってこえへんことに俺は少しイライラする。

どっか飲みに行ったんか？

ほんでも、だめ押しで3回目を鳴らそう思ったら

俺の敵が戦闘する気もなさそうに

ゆるーい服で出てきた。

『すいません～、ちょっと寝てもうてて…

あれ～？大倉やん～？どしたん～？』

そう言うヤスからお酒の匂いがプンプンする。

「…家、入ってもええ？」

このまま、酒入ってるこいつと話することか迷ったけど

俺はそのまま戦闘することにした。

家入るとやすの部屋は、酒と衣類とでごちゃごちゃしてた。

「お前、服どうにかしろや。

ってか、酒のみすぎやろ。」

そう言うのを聞いてるんか聞いてないんか

やすは冷蔵庫を物色しながら

『あ、ビールまだあったわ～。』

とかブツブツ言うてる。

そうして、ヤスがお酒を持ってきて一旦落ち着いたところで

本題を切り出す。

「さっき、Aちゃんとこ行ってきた。」

『そうなんや。

げんきしてた？』

俺は平気そうにしてるヤスにイライラして

喧嘩口調で言う。

「気になるんやったら、自分で言ったら？」

そう言う俺にやすは、ちょっとびっくりして

そのあとまた、笑いながら

『なんなん～冷たいな～。

ごめん、ちょっとトイレ』

そう言ってヤスが立ち上ろうとする。

「なんでもうあってないん？

好きなんやろ？ほんならもっとちゃんと向かい合いーや。

見ててイライラするねん。」

ヤスが俺を見る。

その瞳は揺れてる。

なんの音も流れてない俺とヤスだけの空間。

沈黙が空気を重くする。

こんな時間、普段内容のない話ばっかりする俺らには

とても、新鮮でただ怖かった。

やっと、ヤスが口を開く。

『俺にはできひんよ…』

そう言って立ち上がりトイレに行ってしまった。

残された俺は、ぼーっと考える。

出来ひん？なんで？そしたら、俺のメンツが立たんやん。

せめて理由だけでも言わせな気すまんわ、

とか思ってたらドンッと何が倒れた音がした。

俺は気になって見に行った。

そしたら、やすが倒れてた。

俺は最初酔っ払ってバランス崩してこけたんや思って

「お前、酔っ払いすぎやろ。」

そう言って顔見たら明らか普通じゃない顔をしてた。