ペットシッター (ページ33)

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お見合いページ33

そんなある日知らない番号から電話がかかってきた。

ででみると、その声は見覚えのある声だった。

お父さんの昔からの秘書の川島さんで、

小さい頃からよく家に来てたりしていた。

ただ私を縛り付ける1人で

昔からご飯の食べ方、話し方、振る舞い方

全てにおいて彼が担当していて

もちろんそれは父から言われてやっていることだとわかっていながらも

初めて反抗したのも彼だった。

そんなことが嫌で逃げて来た

私に電話をかける内容とは一つしかなかった。

『お嬢様、帰ってくる気はありませんか。』

やっぱり。

そう思った。

彼の考えてる、父が考えてることはそれしかないから。

「父から言われたんですか。」

『いえ、私が勝手に電話しました。

今会社が悪い方向に向かっているのはご存知ですか。』

「…そうなんですか？」

『やっぱり、社長はおっしゃったなかったんですね。』

「はい、初めて聞きました。

でも、それで私が行ったところで何も変わらないですよね。」

『いえ、お嬢様にはお見合いしてもらいます。』

「え？お見合い？そんなの…」

『こうすることが会社にとって一番良い方法なのです。』

「そんなの嫌です。

勝手なのは分かってます。

でも、父が何も言ってないってことは私に頼りたいということだと思いますし」

『それは…』

「とにかく、私はここでやりたいことがいっぱいあるんです。

だから…この話は無理です。」

そう言って無理やり電話を切った。

正直心の中に迷いはあった。

そんなに会社でやりがいを感じていない。

でも、今、とにかく私の中にあるのは

会社よりも安田さんのことで。

それくらい本気だった。

でも、そんな儚い片思いは突然来たメールでいきなり終わった。

安田さんごめん、約束守られへん。彼女できた。だから会われへん

その時、ノリで開いたメールを見て私は思わず携帯を落とした。