ペットシッター (ページ23)

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『あのさー、料理作ったあげんのはいいけど

Aちゃんは時々おもい時あるから気ぃつけな。』

「あー！醤油なくなってる～！」

『ってか聞いてないし…。

醤油買ってきて言うたから買ってきたで。』

「わざわざありがとうございま～す。」

『いや、何その棒読み笑まぁええけど。

なぁ…』

「…ちょっ、しっ！！」

『えっ？』

「安田さんが帰ってきた！

え、なんで？行ってた時間よりも全然早いのに…」

『いや。なんも聞こえへんねんけど笑

なぁ、気のせいちゃう？』

「いや、気のせいなんかじゃないんですよ！

私、安田さんのことなんもわかってないけど

安田さんの歩き方とか足音とかそう言うところ

普通の人より絶対わかるんです笑」

そう言う彼女はなんだかんだ嬉しそうで

恋する乙女って感じで

めっちゃ可愛くてだからなんか悔しくなった。

やすの家はエレベーターがあってAちゃんの家を通るから

おかしくないって言うと違うけどそんなん普通ありえへんよな。

『ふーん』

って適当に返事したら彼女が睨みつけながら

「あ、信じてないでしょ。

ほんとなんですから！！笑」

『はいはい。』

「あ、ほら～また！」

そう言って言い合ってるうちにほんまにやすの声がした。

なんて言うか、笑い声？やってそれを聞く彼女は険しい顔になった。

やすの声がした後に女の人の声がしたから。

運悪く、その女の人の章大って呼ぶ声が

Aちゃんの家の前を通るときやったから勘違いでもなく

はっきりと聞こえてしまい、俺も聞こえてないフリをできひんかった。

彼女はたちまち固まってしまって、俺はどうにかせなって言う気分になった。