ペットシッター (ページ17)

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仕事終わって帰って来て

心も体もボロボロの状態でフラちゃんを散歩中…。

あんなにも大倉さんにきつく言われたのに彼との縁が切られないのは

私の意志の弱さにある。

あれからあんなに言われて流石に考えたけど彼に一度会ってしまうとその意志は

すぐに消えてしまった。

とは言えこれを続けるわけにも行かないよな…と

考えながら仕事のことを考えたり

そんなことをしてるとかれこれ1時間くらい

歩いてたかもしれない。

家を出た時には空はまだ明るかったのに

知らないうちに暗くなっていた。

マンションのエントラスに入って

一際オーラを放つ彼の存在に気づく。

その彼は明らか不機嫌そうに見えたのに

私を見るなりニコッと笑って私に近づいて来た。

彼の隣にある灰皿がどれだけ彼を待たせていたのかがわかって

余計に怖くなった。

「こ、んにちは。」

『おかえり…散歩帰り？』

「…はい、あの、この前は…」

『ごめん！！』

そういうと彼は丁寧にお辞儀した。

周りの人が私たちをジロジロ見る。

私は慌てて彼を家に招いた。

とりあえずお茶を入れて座ってもらう。

「あの、、、私もあの後勝手に帰ってしまって本当にすみませんでした。」

『ちゃうねん、俺めっちゃ勘違いしてて。

まるでAちゃんが遊んでるみたいに言うたけどそうやなくて

むしろ遊ばれてるとも違うし…

なんか、ほんま悪いのはやすだけやったのに…』

「…」

その言葉に1週間あったモヤモヤがスーッと消えて力が抜けその場に座り込んでしまった。

『ちょっ、大丈夫？』

そういうと大倉さんは私の元へ駆け寄った。

「すみません、仕事の疲れで…。

でも、大丈夫です。」

でも立とうとしても足が動かない。

『ほら、動けてないやん。

そんな状態で散歩まで行って…。

やっぱりファンの心理なんかわからんわ。

もうじっとしといて。』

「…すみません」

そう言割れた私はお言葉に甘えてじっとしていたんだけど

知らない間に寝てしまっていた。

そして３時間後、美味しそうな匂いで目が覚めた。