ペットシッター (ページ11)

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緊張ページ11

大倉さんに押されてまたまた安田さんの家にやってきた。

『うわー、めっちゃええ匂いする～。

やっぱり一緒にご飯食べてたんやん～。

え、これ作ったんって…えっと名前聞いてなかったよな』

「あ、えっと佐藤Aって言います。」

『Aちゃんか～。

ってかさ、ずっと思ってたんやけど若ない？30代ではないよな』

「あ、24です。」

『え、24⁉やばいやん。

やす！お前、そんな歳の子連れ込んだあかんやろー』

『ちゃうやん、連れ込んでないって！なぁ？』

そのあまりにも必死に話す様子が

いつもの余裕からかけ離れていてつい面白くて笑ってしまった。

「笑はい。」

『な～に笑ってんの？』

そう言って軽くボディタッチする彼に素直に喜んでしまう。

ふと見ると、すごい冷たい目で大倉さんが見ていてびっくりした。

もしかしたら彼はまだ私たちのことを疑ってるのではと思った。

でもすぐニコってするとなにいちゃついてんねん～っといつも見てるように笑った。

そんなことを気付いているのかいないのかわからないけど安田さんは無視して

私に触れた手を離さなかったため

さっと逃げて話題を変えた。

「あ、あのさっきの話！この料理安田さんが作ってくれたんですよ。

あの、いつもペット預かってる代わりに…ね？」

『えっ？んー、そーやなぁ。

食べよか～』

「あ、私準備しますから座っててください。」

『ありがとー』

そうして、2人を一旦座らせてキッチンでホッと一息。

全く気にしない安田さん、私たちの中を探る大倉さん、

こんなシチュエーション誰しもが憧れるだろうけど

どこまで言っていいのかわからず心臓がばくばくして生きた心地がしなかった。