ノスタルジーな夜に… (ページ7)

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はじまりページ7

～red side～

5年後

at airport

『信ちゃん、めっちゃ行く気やってんけど仕事入ってもうて、

まぁ横ちょも恥ずかしがり屋から…

後の2人も気にしてた。まぁ不器用やから俺らだけやねんけど。』

「はは笑ありがとうな。」

俺は空港でいよいよ夢に向けて旅立とうとしていた。

送りに来た丸とやすに最後の挨拶をする。

丸はずっとらしくなく悲しそうな顔で喋らんへん。

分かってる、20年近くおったから何考えてるかなんて。

こいつの笑ってる顔こんな顔にさせたん俺やから絶対泣かん決めてるけど

辛そうな顔見て少しウルっとくる。

［只今から503便ロサンゼルス行きの案内を開始いたします］

「じゃあ、いくわ。ありがとうな。」

『…うん。』

そう言って背を向ける。

『あっ、渋谷ん！ちょっ、待って』

やすの声が聞こえ後ろを向くとやすは丸に何かを託し耳打ちして

丸が俺のところへ走ってくる。

『あの、これ、信ちゃんがもっていけって。』

そう言って渡されたのは雛の携帯番号と10ドル札。

「なにこれ。」

『すばる、携帯解約したから…なんかあったらこれで頼って来いって。』

「はは笑あいつらしいな笑」

そう思い思わず笑ってしまう。

「ありがとうな、丸。」

そう言うと俺は丸にハグをした。

「絶対、無駄にせんから。お前の思いも、みんなの思いも。

最高の音楽聴けるようなってるから覚悟しとけよ。」

そう言って背中をポンポンと叩き、離れると

丸はうんっと悲しそうに笑った。

遠くに見えるやすは自分の腰を痛そうにしながら優しい目で見つめていた。

「じゃあな！」

そう言うて俺は長い長い旅に出かけた