検索窓
今日:6 hit、昨日:0 hit、合計:18,056 hit

振返 ページ36

〜red side〜

じっとしたくなくてAのところまで来てしまった。

Aは、まだ帰ってきてなかった。

そして1時間後車の音がして顔を上げるとAがダッシュで駆け寄ってきた。

それだけで、もう泣きそうになった。

「A…。」

Aは何があったかわかってるんか心配そうな顔をしてる。

『あほ、心配したやん。

家行ったのにおらんし。』

「…ごめん。」

『うん…と、りあえず、入ろ?』

「…A。」

鍵を開けるAの肩がビクッとする。

『…な、に?』

「なぁ、去年のライブDVD見せてくれへんか。」

俺がそう言うと少し迷ったような顔をしてそれから頷いた。

それからDVDが始まるとどこかへ行ってしまった。

そしてしばらくして帰ってきたと思ったらご飯がのってあった。

「…疲れた〜、何も食べれてないねん。

すばるも、お腹、すいたやろ?』

そう言ってニコって笑うけど全然箸も進んでないし

さっきから立ったり座ったり落ち着きがない。

おまけに今やって皿にお茶を注ごうとしてて

俺は思わず止める。

「お前さ、別に居たくないんやったら違う部屋おってもええから。

もう大人やし、俺1人でも見れるし」

そう言うとAはギクッとした顔をした後

『…ごめん。じっとします。』

そう言ってAは俺の隣に三角座りした。


それからはテレビに集中した。

テレビに集中すればするほど目を背けたくなるような現実。

俺がおった間、おらんなった間ほんまに無理してたのがわかった。


そしてその全てを見終わった時さらに罪悪感が多くなった。

DVDが終わってテレビを消し、無音が流れた。


『…すばる?』

鼻声と涙が霞んだ声のAが俺の名前を呼ぶ。

「…ん」

『あの、さ?みんなに電話してみいひん?』

「…無理や、こんな思いさせて…」

『すばるの言いたいこともわかる。

でもさ、やっぱりこのままやともったいないよ。

この15年間気づいてきた絆を全て壊して残るものはほんまに罪悪感だけ?

ちゃんと、考えて。

ほんまにこのままでええの?

たぶん、この機会逃したらもう一生、かけられへんと思う。」

それから俺はしばらく考えた。

蘇ってくるあいつらとの思い出。

別れは本当に苦しかった。今までは本当に楽しかった。

俺は、

やっぱりわがままで

こんなことがあってもあいつらと繋がってたいと思った。

「電話、貸してくれる?」

『あたりまえやん。』


そう言ってAは俺に電話機を渡した。

進むための…→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
59人がお気に入り
設定タグ:関ジャニ , 渋谷すばる
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kameco | 作成日時:2019年8月2日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。