ノスタルジーな夜に… (ページ18)

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一方通行ページ18

～your side～

「はぁ～！」

とりあえず、ひと段落して椅子にもたれる。

すばるが入れてくれたコーヒーは一口飲んで

そのままほったらかしにしていたからすっかり冷めてしまった。

お腹が空いたなと思いふと時計を見るともう0時を回っていた。

もう、寝てるよな？

そう思い、ドアを開ける。

ガチャ

外を出るといい匂いがしてそのままリビングに向かう。

見るとダイニングテーブルには美味しそうなご飯が並んであった。

「…美味しそう。」

すばるの姿を探すとソファーにもたれかかり

猫を抱え寝てしまっていた。

"可愛い"そう思うと共に胸がキュッと痛くなるのがわかった。

また、この感情。

実は仕事のせいにして彼を避けている所もあった。

あの時と何も変わらない、

私がソファーで寝てしまった時、ベッドまで運んでくれる優しい所、

そして、自分は怖いからそのベッドで寝るビビリな性格

すばるが来てから感じてはいけない気持ちを感じてるのを

少し気づいていたから。

私は慌ててすばるから目を背け

椅子に座り料理を一口食べた。

「…美味し」

そう思うと共に久しぶりの手料理に涙が出た。

［ニャー］

すばるのとこにいたはずの猫がいつの間にか私の近くにいた。

すばるを見ると起きたのか、もぞもぞと動いた。

私は慌てて涙を拭った。

『美味いやろ？』

そう言いながら私の目の前に椅子に座った。

「…うん。びっくりした。

料理できる様になったんやな、私と暮らしてた時は一個も作れなかったのに。」

『アホか、卵焼きくらいは出来たわ。』

「ふふ笑」

『俺には珍しく時間かけて煮込んでん』

「すばるの口から煮込んだとか出るなんて笑

…でも、美味しい、ありがとう。」

『おん。』

すばるは少し照れた顔をした。

すばると面と向かって喋るのはここに来てから初めてやった。

だから、少し喋りたくなった。

「…なぁ、いつも何してるん？どっか行ってるん？」

『なんも、してない。

ギター弾いたり、パスポート見つかるまではまたなんか起こさんように

やることないし、まぁ強いて言うなら三郎の世話やな。』

「三郎？笑」

『こいつや。三郎っぽい顔してるやろ？』

「爆笑どこが？」

『見てみろや。

こいつなぁ、俺んこと好きやねん。

俺が遊ぶんやめてギター持ったら膝乗って邪魔してくんねん』

私はすばると猫がじゃれているのを想像して少し笑ってしまった。