センパイ！

ワンコみたいな後輩くん ページ5

放課後。


深冬は委員会で居残り



私はひとり校舎を出た



西日が眩しい



帰ったら昨日買ったばかりのマンガを読もうっと



「センパイ！」



聞き慣れた甘い声




『おー』




黄乃くんは首にクルクルっとマフラーを巻いていてなんとも…かわいらしい



その姿で小走りに近づいてくるのはやっぱりあざとい





「あれ、ひとりですか？ゆうき先輩いない」



『うん。深冬は委員会』




「そっか。じゃあラッキーだ」




『え？』




「駅まで一緒に帰りませんか」



『え？！いっしょに？』



「…だめですか」




いやいやそんなションボリするなよ




『笑 黄乃くんてさ実は犬かなんかだったりする？』



深冬も、尾っぽが生えてるみたいって言ってたしw




「い、いぬ？」



『散歩断られたワンコとおんなじ顔してるからw』



「！？」



『ひとりで帰りたかったなんて言えなくなるじゃん』




あははと笑っていると



「あぶない」



黄乃くんに引っ張られる



ﾁﾘﾝﾁﾘﾝ



おじさんが乗った自転車が猛スピードで横を抜けていった






「ちょっと！危ないなぁ」




その声に我にかえれば、私は黄乃くんの胸に…顔を埋めてる！？！



『あっ、とごめんっ』



「大丈夫でしたか？」



『うん…ありがと』



「よかった。じゃ、帰りましょうか」





ひえ〜


黄乃くん、細くてヒョロヒョロかと思ってたけど意外に胸板しっかりしてた…って私、変態か！？




西日が当たっててよかった



わたし、顔が真っ赤に違いない

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