センパイ！

後輩くんと傘 ページ22

み「A大丈夫？」



黄乃くんが教室まで送ってくれて、深冬に一部始終を説明してくれた



「保健室行きますか？」


彼は眉を限界まで下げて心配そうな顔



『大丈夫だって！もう平気』



み「全くひどいことするよね！訴えてやれ」


「本当にごめんなさい」



み「るぅとくん今日は送ってやって？

私、委員会あって」




「もちろんです」



『もう、本当に大丈夫なのにぃ』






•



放課後


エントランスで待ち合わせ



『あ、雨だ』



予報通り、しとしとと雨粒が落ちる



「傘…」


『ないの？一緒に入る？小さいけど』



バッグから折り畳みの傘を取り出した



『肩がちょっとはみ出しちゃうけど無いよりいいよね』



「僕持ちます」



優しいんだよね、黄乃くん



「もう少しこっち寄ってください」


私の腰あたりに手をやって自分の方へ寄せる




『…なんかカップルみたいw』



相合い傘ってやつ？男子と同じ傘にはいるなんて初めてかも



『ごめんね、相手が私w』


「ううん」



パラパラと鳴く傘の音に消されてしまいそうなほど小さくつぶやいた黄乃くん


今日は口数が少ない



さっきのことを気にしているのだろうか


『きの、』


「先輩」



同時に呼び合って思わず笑う




『ww お先にどうぞ』



ごくりと喉が鳴るのが聞こえた




『なに？』



「センパイが好きです」






す、、き



すき？





『あ、like？ありがと。気に入っていただけて嬉しいです』





「ライク、、ね？わかってないですよね」




傘をさしたまま私の正面に向き合った



「A先輩」


『ほ？』



「女の子として好きなんです。僕と付き合ってください」

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