センパイ！

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1時間遅くなるだけで乗車率がグンとあがる


「せんぱい、窓際に」


黄乃くんが気を遣って私を端っこに引っ張ってくれた



そしてドアに手を付く。私を守るように


いわゆる壁ドンみたいで私は恥ずかしくなった




黄乃くん特有のミルクみたいな甘い匂いと車内の暑さにクラクラする



「せんぱい少し我慢してくださいね」



『…う、うん』



耳元でしゃべるからなんとも変な気持ちになるよ…



恥ずかしくて俯いていた私



そっと目線だけを彼に向けてみた


うわっ


まつ毛長っ


肌ツヤツヤ



…やっぱりイケメンは苦手。自分が劣化して見えるもん




なんて考えていると彼と目が合った




『あっと、、、』



見てたことがバレたら恥ずかしいわ






「…Aちゃん」



『へ？』




「学校じゃないからAちゃんて呼んでいいですか？」




そう言う後輩くんはなんとも妖艶で高校生とは思えない




『べつに、、いいけど。なんか気恥ずかしいよ』



「そうですか？」



イケメンはやっぱりなにを考えているのかわからない






「…A」



耳にかかる髪に黄乃くんのくちびるが触れる



『ひゃ、、』



「あ、ごめん。ちょっと調子に乗りすぎましたw」




しかも呼び捨て



私をどうしようって言うのさ

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