距離の詰め方10 ページ19
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「これで何回目ですか」
hr「えーっと…」
「最近多過ぎます」
「しかも規模が大きいんですよ、誰よりも」
hr「はい、すみません…」
ついさっきファンミーティングが終了し、裏にてガヤガヤと撤退に取り掛かっている中
目の前に立つ高身長男を怒っている
少々私の首が終わりそうなのだが…
「やり過ぎです、本当に」
hr「はい、」
彼はさっきのファンミで、盛大にスポをかました。
流石にあのような内容だと私たちも怒りかねない
「言った側にも、運営する側にも責任があるんです」
hr「ごめんなさい…」
「ちゃんと責任は取ってくださいよ、」
hr「はい取ります」
明らかに彼の方が身長が高いのに、怒られてしゅんとする彼はとてつもなく小さく感じる
反省の色も見えるし、これ以上追い詰めようとは思わなかった。
「じゃあ今日はゆっくり休んで下さい」
そう言ってその場を立ち去ろうとすると、後ろから「あっ」と一言声が聞こえた
hr「ヌナ、夜ご飯とかもう決まってたりする?」
「いえ、」
hr「じゃあさ、お詫びにって言ったらなんだけど、今日ご飯一緒に食べん?」
hr「奢るからさ」
ちょうどこれから考えようと思っていた今日の夜ご飯
日本に来たものの、ゆっくりできる時間も限られてるからご飯の時間だけでもって、そう思っていた。
奢ってくれるって言ってるし、何かと都合がいい気もするけど…
でもそこはやっぱり一線引かないとダメだろうか
「遠慮、します」
と言ったものの、彼は被せてこう言ってきた
hr「ヌナの大好きな寿司でも?」
「え」
hr「美味しいのたくさん食べれるよ?どうする?」
「…」
まんまとハルトさんの罠にかかりそうな私
いくらなんでも寿司に弱いんです。卑怯なやり方だ…
しばらく寿司食べれてなかったし、とかそう考えているうちに
「なんでもいいや」という気持ちに引っ張られていく
魚になった気分だよ…
「しょうがないですね、今日だけなら…」
hr「釣れた笑」
「べ、別に寿司だからっていうわけじゃ、」
hr「分かってるって〜」
承諾するとウキウキしだすハルトさん
私が食べ過ぎて破産する羽目になっても、知らないからね
hr「後で連絡するわー」
「あ、はい」
ひらひらと手を振って控え室に帰って行ったハルトさんに、想像の中の寿司に涎が出そうな私
早くチャチャっと仕事終わらせて寿司をいただくとしますか…。
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作者名:Biglove | 作成日時:2023年8月22日 23時