距離の詰め方9 ページ18
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日本から韓国に帰国して1時間
ファンとカメラの群れから抜け出し、疲労気味のみなさん
私は先に帰国したので彼らのために何も施すことができなかったのだが、
彼らの表情を見て少し後悔が押し寄せる。
一緒に行けばよかったかな…
「大丈夫ですか…」
dy「うーんたぶん笑」
「事務所でゆっくり休んでくださいね」
dy「うん、ありがとうヌナ」
空港から事務所まで帰りつき、疲労困憊
ドヨンさんは少し苦い表情をした。
「コーヒー飲みます?」
dy「うんん、大丈夫」
私なりの気遣いというか、心配というか
コーヒーを一応買っていたものの、みなさんは事務所に着くと一目散にバラバラになってしまった。
机に置いて渡せなかったたくさんのコーヒーを見て少し肩が落ちる
dy「…これ全部ヌナが?」
「みなさんが、飲むかなと」
「でもいりませんでしたね、疲れてるなら当然ですね」
dy「ヌナ…」
そのコーヒーに気づいたのか、ドヨンさんが私の横に立ってそう尋ねた。
もう一度コーヒーに視線を戻すと、少しばかり悲しい気持ちが込み上げてくる。
そんな私を見て申し訳なく思ったのか、ドヨンさんがひとつ手に取った
「あ、いや無理してもらわなくても大丈夫ですよ」
dy「いや、今飲みたくなったんだよ笑」
「ほ、本当ですか?」
dy「そうだよ〜嘘なんかじゃないよ」
分かってる
ドヨンさんは私の表情を見て、コーヒーを手に取った
彼に気を遣わせてしまった。
わざわざ話さなければよかったかな…
dy「ヌナ、実はね」
「?」
コーヒーを手に取って一口含んだ彼は、手荷物の中をごそごそと物を漁り始めた
dy「これ、」
「え?」
dy「ヌナに似合うと思って、買っちゃった」
彼の手に握られた一つの小さな箱
それを私の手前まで持ってきてゆっくりと開けた。
その箱に入ってたのはすごくシンプルだけど、キラキラした可愛いネックレス。
「…これを、私に?」
dy「うん」
驚きが隠せない私は目を丸くする。
そんな私を見てドヨンさんは笑った
メンバーの誰かからプレゼントなんてもらったことがない上、こんなに高そうなネックレス
驚くしかない
dy「こうやってヌナにはいつも良くしてもらってるし、日頃の感謝を込めて」
「あ、ありがとうございます…」
dy「嬉しそうで良かった笑」
その後、彼はネックレスをつけてくれた
涙が出そうだったこと、ドヨンさんに気づかれてないといいな…
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作者名:Biglove | 作成日時:2023年8月22日 23時