距離の詰め方6 ページ12
_
今日はとてつもなく忙しい日
なぜだか知らないが、謎にマネージャーのスケジュールが大量に詰め込まれて死んでいる所だ
まともにアイドルの彼らに付けない状態までもある。
なんたる多忙な一日
ミスをしたり、怪我をしそうだ
すると衣装部からの連絡
"翌日の衣装にトラブル"とのこと
新しく布を配布するべく廊下を駆け回る。
このトラブルは珍しいことではないので対処し慣れている
と余裕を貫いていたそのとき、
「うわっ!」
この歳で走り回ったせいか、足がほつれ床に転倒した
周りに誰もいなかったことにほっと胸を撫で下ろす。
ここまで派手に転けたのは何年ぶりだろう
じんじんと痛む足に気付かぬふりをして立ち上がろうと思ったそのとき、
誰かが前を通りかかる
「あっ」
sj「……えっヌナ?!」
まさかのマンネに見られるという
咄嗟に立ち上がろうとすると、ジョンファンさんは駆け寄り立ち上がるのを阻止してくる。
いや、何ともないから放っといて!
そう言いたいのに恥ずかしさが言葉を上回って上手く声が出ない
sj「転けたの?」
sj「大丈夫?」
「だ、だいじょ、」
sj「ヌナ、嘘はダメだよ…」
「嘘じゃないですよ」
sj「立つときに顔歪めたでしょ、」
「大丈夫!かすり傷です」
私の少し挫いた足首を見ると、ジョンファンさんは何かを思いついたように私と目を合わせた。
きっと、どんなに平気なふりをしようが、ジョンファンさんは信じないだろう
sj「足首、痛い?」
「いや、全然いたく、」
sj「嘘つき」
sj「もう嘘つくなら強制的に行くからね?」
「え?あいや、えっ?!」
もう一度、座り込む私にしゃがんで顔を覗き込んだジョンファンさんは尋ねた
無理なのは百も承知で否定したのに、少しにやっと笑ったジョンファンさんに
背中と膝裏に手を差し込まれ、ついにはお尻が宙を浮いた
そう、マンネに今、お姫様抱っこをされている
「ジョンファンさん、頼みますからっ…」
sj「降ろさないよー」
「ええぇ、」
そんなにたくさん私の黒歴史を増やして楽しいか
と言いたい気分
まさに恥ずかしいの最骨頂
もちろん歩いていけば人も通るわけで、メンバーに会うのが一番嫌
_
396人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Biglove | 作成日時:2023年8月22日 23時