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距離の詰め方5 ページ11

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帰宅前の少し暗くなってきたころ

私は今日も、いつも集中しようと思って使う部屋に篭っている


いつもなら1人だが、今日は珍しくヒョンソクがメンバーの輪から抜けここに座っている




「あんまり散らかさないでよ」

hs「分かってるよ〜」

「本当だか…」



クルクルと椅子を回しながら、彼の手元にはスナック菓子が握られている

ひっそりとここを何も言わずに使ってる私からしたら、お菓子のくずを落とさないでほしい一心


こっちを見ずに手を仰いで「大丈夫大丈夫」と言うヒョンソク

何を企んでいるのやら




「一個」

hs「ん?…はい」

「なんで嫌そうなの笑」

hs「別に〜」




休憩がてら一個もらおうと手のひらを彼に伸ばすと、少し間が空いた後渋々ひとつくれた

少し拗ねてるような、

そんな彼に戸惑う


だって、いつもの彼からはそんな態度取ること滅多にないのに…




hs「最近さー、」

「うん」

hs「他のメンバーと仲良くなったよね」

「まぁ、少し?」

hs「みんな"ヌナ〜"って言って…」

「確かに、最近はより忙しくなったかな〜」

hs「…ん〜」




バツが悪そうな表情で椅子の背に身を投げ出すヒョンソク

不思議に思って見つめてると急にひょこっと頭を上げた彼は、少し尖った口で私を見てくる。




「?」

hs「はぁー、」




あからさまに吐くため息に、私への不満が込められていたのに間違いはない

なんだか私までむしゃくしゃしそう


すると机の蓋を掴んで、グッと椅子ごと私の前まで移動してきたヒョンソク

急に近づく距離に思わず私も身体を仰け反る。




「…ど、どうした」




hs「俺と喋る時間少ない」

「喋る時間?」




ムッとした顔でそう淡々と言うヒョンソク

少し屈んだ姿勢のせいで上目遣いになっていることに彼は気づいているのだろうか…



hs「弟たちに頼られるのも良いことだけど…」

「…もっと俺に構え、てこと?」

hs「ん〜…そういうこと、」

「あ〜!」



彼にもこんな可愛い一面があったんだと、双子と言われる仲でありながらも初めて知った

可愛いなと思い、彼に笑って見せると「笑うなよ〜」と力無い声でそう言った。



「分かったよ、ちゃんと構ってあげるから」

hs「んーなんかやだ…」

「照れてるだけじゃーん」

hs「あーほんと、」

「基本私から話しかけるのはヒョンソクくらいだから、安心しな」

hs「…ん、」




少しピンクに染まる彼の頬

今は双子ではなく、弟のようで愛らしく感じた






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距離の詰め方6→←⭐︎



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作者名:Biglove | 作成日時:2023年8月22日 23時

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