【SLAM DUNK】山王工業のもう１人の天才 Ⅱ (ページ43)

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全国へページ43

大きな体育館のステージの上

色んな方向にあるカメラからはフラッシュが沢山焚かれ

メダルとトロフィーを受け取った選手達は笑顔を浮かべ

マイクに向かって元気よく質問に対して答えていた

そんな光景をステージの外からぼんやりと眺めていたA

＿＿＿＿＿＿あの時諦めなければ、俺はそこに…

秋田県予選の決勝を終え、県内での全国大会の切符を
手に入れたのは＿＿＿

「キャプテンの加賀海くん！今回の決勝はどうでしたか！？」

「いつも通りにできたと思います。まぁ…緊張もしましたが、
心強い仲間が居てくれたのでそこまで心配することはなかったですね」

加賀海さんは深津さんの肩をバシバシと叩きながら笑顔で
優勝を喜んでいた

叩かれてる側の深津さんは凄い嫌そうな顔をしていたけれど

「最優秀選手の受賞おめでとうございます！

　今のお気持ちはどうですか＿＿＿沢北選手」

記者達が一斉にマイクやカメラを向ける

みんな興味津々の顔をしていた

そう、沢北は県予選で最優秀選手に選ばれた

技術は勿論、試合での平均得点もどの選手よりも高いスコアを叩き出していたのだ

中学までは色々と恵まれてなかったため埋もれていた逸材が、
この大会を機に注目され始めている

…面白くねぇな

そんな沢北の姿を見てふと口から零れ落ちてきたのは、

きっと自分の心の底からの本心なんだろう

それに関われば関わるほど、虚しさが胸の中を埋め尽くしていく

『…やっぱり俺は選択を間違えた…？？？』

呆然と呟いたこの疑問に、答えるものは誰もいなかった

「…やっぱり、秋田は山王工業か」

取材の雑誌を眺めていたある県の帝王は頬杖をつきながらそう呟き、

「山王の…参謀？何だそれ」

取材の文の中に引っかかる言葉があったのかある県の期待の星は頭を捻り、

「…あれ？この名前…」

１人でフラフラと本屋に立ち読みをしに来ていたある高校のエースはその書かれてある名前に首を傾げた

＿＿＿いよいよ、全国への闘いが幕を上げ始めようとしていた