しつこい ページ9
「なー、蒼月ってさ結局バスケ部のマネージャーになんの？」
沢北が机に腕を乗せて顔を半分埋めながら聞いていたのは、部活動体験の翌日の休み時間の話だった。
『…仮だよ仮』
「ふーん」
沢北は適当な返事を返しつつ興味有りげな視線をAに向けた。
「加賀海さんが聞いてたけど、お前何かあるのか？」
Aの表情は変わらなかったが耳は素直に反応した。ピクリと動く様子を見て沢北は深堀するかのように続けざまに聞いてくる。
「…あるんだな」
『ない。俺には何もない。』
そう言い切ったAの目は氷のように冷たく鋭さを帯びている。まるで、視線だけで「ここから先は踏み込むな」とラインを引いているようだ。無言の圧を感じ、沢北は思わず息を止めてしまう。
だが、お構いなしに沢北は言及した。
「じゃあなんだよ、あの様子は。バスケに何かあったのか？頑なに拒んでる感じはしたけど」
『何って、普通だろ。バスケとか興味ないし』
「じゃあ何でマネージャーになんか」
『煩い』
ふとちょっとした言い争いをしていたとき、沢北のうっとおしさにAは顔を顰め、声を荒げた。昨日のあの加賀海といい、沢北といい、何で俺の事情に関わろうとしてくるのだ。
「煩いって…お前…」
『人の知られたくない事を詮索してくるな。迷惑だ。』
Aが吐き捨てるように沢北に向かって言うと何故か沢北は食い下がってくる。教室から出ようとするAの腕をとっさに掴んだ。
沢北は一瞬、Aの腕の硬さに眉を顰めた。細い腕の割には筋肉のようなものがしっかりとついているような気がした。
『離せ』
「離さねぇ」
『しつこいんだよ…お前にはどうでもいいだろ』
「よくねぇよ！！」
必死に振り解こうとするが沢北の方が力が強いのかなかなか振り解けない。Aは屈辱を露わにしながら顔を歪ませているのを沢北は見た。
「昨日も、今もそうだ。蒼月の顔…凄い苦しそうなんだよ」
『！』
思わず背けていた顔を沢北の方へ向ける。こいつは、どこまで見ていて、どこまで気付いた？
「だから、何かあるんなら俺」
『さっきから何回も言ってるよな＿＿＿＿、いい加減にしろ』
突如、Aの口から低い声が出た。かと思いきや次の瞬間には沢北が床に倒れ込んだ。
クラスにいた女子が悲鳴を上げた。
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
