深津の勘 ページ7
さっきAの腕を掴んだときにもそう思っていたのだが、恐らくAは何かのスポーツをしていたのだろうと深津の勘はそう告げていた。
その細い腕には、しっかりとした筋肉がつけられている。
…今のところは触れないほうがいいベシ…と、心の中でそう呟いて深津は特に何も突っ込まなかった。そして黙ってAが話す言葉を静かに耳を傾ける。
「そうか…」とキャプテン＿＿＿＿加賀海がAを見て呟いた。
「正直に言うと、俺達は今選手と同じぐらいにマネージャーを探しているんだ。気の利く仕事が出来るマネージャーをな。」
「君はどっちにでもなれるだろうけれど」と加賀海が呟く。その言葉はハッキリと、Aや深津、近くに居た沢北の耳にしっかりと届いた。
そして、と加賀海はAの目を見た。
「俺は…君を知っているよ。蒼月A。」
『！！』
Aの目が驚いたというように大きく開かれた。
微かに手は震え、何かを抑えるように強く握り締められている。開かれた口からは『…なんで、』と弱々しい言葉が零れ落ちてきた。
加賀海は微笑を浮かべているだけで何も言わない。
激しく取り乱したりはしないが少なからず動揺しているAを見て、深津と松本は「？」を浮かべながら顔を見合わせた。
「この部のマネージャーはどうだ？やってくれないかな。君が入ってくれたらこの部も安泰だな」
怖い、と本能的にAは感じた。
逸したいはずなのに目がまるで取り憑かれたように動かすことができない。
逃げ出したいのに足が動かない。
どうしよう、この人は一体…
「加賀海さん、待って下さい…ベシ」
頭が真っ白になっていたAを庇うようにして深津が一歩足を踏み出し前へ出た。加賀海はそんな深津を見て「どうした深津。珍しいな。」と反応した。
「確かに俺達も強引に勧誘はしました。そこは…悪いと思ってるベシ。」
先輩に対してもその謎の接尾語は使うのかよ…と後ろで聞いているAや沢北は思った。
深津の声はどこまでも冷静で、淡々と言葉を並べていく。
「無理に入らせる必要はないベシ。」
その深津の自分より一回り大きい背中を眺めていたAは、その姿に安心感を覚えた。
いつの間にか、手の震えも治まったようだ。
その時、「ふっ…」と深津の話を黙って聞いていた加賀海が片手で口を抑えて笑った。
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
