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二度と立てない場所 ページ49

合宿最終日





今日は珍しく他校のチームとの練習試合だった。堂本監督はIH予選、全国大会を踏まえた上でのチームだとメンバーを言うときにそう言ってた気がする



「__加賀海恭吾、深津一成、河田雅史、そして」


「沢北栄治」



コートで闘う5人の名前が呼ばれ、監督はベンチメンバーを言い始めた。他の人達は選ばれて嬉しそうな顔をすれば、予想してたのか諦めたように肩を落としている人もいた


沢北は少しだけ、強張ったような顔をしていた。その肩に、ポンと手が置かれた。津城だ



「沢北、良かったじゃねぇか。しっかりやれよ」


「…はい!」



先輩に疎まれると思っていた沢北の不安も、その一言で吹き飛んだ。ここは山王工業。勝つために全国から強者が集められ、集う場所

勝つために必要な人が選ばれる場所






Aは1人離れた所でその様子を黙って見ていた。今になれば、あの場所が眩しく見える。目が眩みそうだ


「蒼月、今日も頼んだぞ」


「…勿論ですよ」



河田にそう言われたAはニッコリと笑って答えた。今日も、ベンチでコートの中を眺めるんだと手を持っていたスコアブックをギュッと握りしめた時





「蒼月Aさん、いますか?」


『どうかしました?』



Aが不思議そうに駆け寄ればそこに走ってやってきたおばさんは息を切らしながらもAに告げる




「いえ、電話が来ていて__」



Aの笑みがそこで消えた





終始それを見ていた沢北はAの異変を感じ取っていた。その目はまるであの時___沢北を殴ったときのような目をしていたからだ




アイツにはやっぱり何かがある




おばさんと2人で向こうの方に向かっていたAを追い掛けるように沢北はコッソリとミーティングを抜け後をつけた




思わず壁に隠れながらそこの場を見る

そこにはAが電話に向かって誰かと話しているようだった。ここからでは詳しい話の内容は聞こえないが、少なくともAにとっていい話をしているようではなかったようだ




『…俺がここに来ようが来まいが俺の勝手だ…どっちでもいいって思ってるのはそっちだろ』



棘のある言い方をするAを見て沢北は思わず息を呑んだ







『少なくとも、俺はそちらに戻るつもりはないよ___母さん。これ以上何も言わないでくれ』








勢いよく叩きつけるように受話器を置いたAの瞳は、悲しみと怒りが混じったようなものだった








To Be Continued…

次回予告→←チームとして



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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー!!ありがとうございます…!!面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね! (2023年2月8日 17時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです!次の話も待ってます! (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa**さん» ありがとうございます!!山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい!沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa**(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました!凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります! (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:三國 | 作成日時:2023年1月6日 8時

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