１人じゃない ページ44
チームで闘わなければならないスポーツにおいて、協調性がないのはかなり厳しいことだとAは知っている。現に、沢北もそれは十二分に理解はしている
信頼あってこそのチームだから。信頼がないと仲間とやっていけない。今の沢北には確実にそれらが足りていなかった
『…お前はなぁ…生意気だから…』
「蒼月まで…」
『違う。俺は別にどっちでもいい、が沢北も沢北で改めるところはあるだろ』
Aはそう言っておにぎりを手に取り口の中へと入れた。沢北は拗ねたような顔を向けて漬物を摘む
『つまらないって、当たり前だろ。お前は１人で勝手にやってるだけだから。そんなモンそりゃ楽しくねぇわ』
沢北が顔を強張らせた。図星のようだ
Aはそれを横目で見てまた話を続けていく
『信頼するもしないも、やってみないと分からない』
「まるで経験したことのあるような言い方だな」
『どうだか』
でも、やらないで孤独にするよりかはマシだろ？と沢北に向かって言うと本人も少し顔を顰めつつもまぁ…と反応は返してくれた
『でも、それでも嫌だと言うなら…』と呟いたAは沢北の方を向いてニヤリと笑った。その瞳が妖しく光る
『実力でねじ伏せればいいだけだ』
その美しい顔に、沢北は思わずゾワッと鳥肌が立った
心臓の鼓動が無意識に速くなる
それを、無理矢理押し殺して沢北は笑ってAを見た
「蒼月の口からそんな言葉が出るなんて」
『まぁ先輩がムカつくのは事実だからな』
Aも吹っ切れたのか晴れ晴れとした表情を浮かべる沢北を見て口角を上げる
『俺が感じた感想は恐らく、信頼できない人達ばかりじゃないと思うよ。加賀海さん、深津さん…
「…そうだな。山王は違うって、多分俺はあの時から…初めて先輩達と会ったときから分かってたんだと思う」
『少なくとも、もうお前は１人じゃない』
そういったのは自分なのに、何故こんなにも虚しい気分になるのだろうか。今、沢北に向けた笑顔が歪でないか不安で仕方がない
ま、見たところ沢北は笑顔だから多分察した様子はないだろう
お前はやっぱり恵まれている
あの事をそうすると決めたのは紛れもなく自分だというのにやっぱり気持ちは晴れなかった。沢北とは対称的だ
『…もし、俺が沢北だったらよかったのに』
そんな独り言は誰にも聞かれることはなかった
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
