ヘアピン ページ33
「蒼月、髪の毛がはねてるベシ」
『うっ…そうなんですよ。さっきから濡らして乾かしてみてももとに戻らないし』
Aが洗面所の鏡の前で自分のはねている髪の毛と格闘しているとそこにやってきた深津と鏡越しに目が合い、そんなことを言われる。
「いっそのことお前も坊主にすればいいベシ。そもそも山王バスケ部はみんな坊主だし」
『坊主ですか…？？やですよ』
「喧嘩売ってきたベシ？」
『そういう訳ではなく…』
確かに洗うのも乾かすのも楽そうだけど…坊主は嫌だなぁと思いながらもAはまだ収まらない髪の毛に溜息をついた。そろそろ仕事しないといけないし、諦めるか…とその場から離れようとする。
「待て」
『え』
深津がAの肩を掴み、その場に留めさせた。何だ何だとAは動こうとするが「大人しくしとけベシ」と強い力で肩を抑えられた為Aはその言葉の言う通りにした。
肩がめちゃくちゃ痛いのはなかったことにしておきたい。
深津はそっとAの髪の毛に触れた。そのまま何かをし始める。
『んっ…いきなり何ですか？』
「…出来たベシ」
少し満足気なのか口元が綻んでいる。レアな深津さんだ…と思いながら勧められるがままにAは鏡を見た。
『！』
はねていた髪の毛がピンで留められている。しかもピンは普通にかわいい水色だった。
『…何で深津さんがこれを持ってるんですか？』
「たまたまベシ」
『たまたまって…』
男子だらけの
『ありがとうございます』
「ん」
Aが素直に頭を下げれば、深津もその様子を見て少しだけ微笑んだ…ような気がした。そうであってほしい。
「蒼月何その頭についてるやつ」
『ヘアピンのこと？』
２日目の練習が始まる前のウォーミングアップの時間にそう沢北に話しかけられた。Aは気にすることなく話を続ける。
『なんか、髪の毛はね…いや、何でもない。深津さんにつけてもらった。』
「え？深津さんが…」
沢北はそのまま視線だけを深津に向ける。深津は淡々と体をほぐしたりしていた。
『え、似合ってたりする？』
ちょっと笑いながら言ったAに対して、沢北は少し面白くなさそうな顔を向けた。
「…さぁな」
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
