第２印象 ページ22
あの場所からかなり走ったところでAは急に止まった。肩で息をしながら沢北を見る。
『…なんで走ったんだ』
「相手の人の安全を守るためだな」
『別に殴ったりしないんだが』
「お前はしかねないからな〜」と沢北がAの方を振り返って言った。その言葉にAはうっ…と言葉を詰まらせた。確かにしつこ過ぎると何をするか自分でもよくわからないからな…と心の中で思った。
『…ありがとな』
ボソリと呟いたその言葉。沢北は聞いていなかったのか「なにか言ったか？」と不思議そうな顔をして聞き返してきた。Aは顔を赤くさせて何でもないと返した。実際聞こえてたらかなり恥ずかしかったから沢北が聞いてなくてよかったな…
…やっぱり自分でも変わってきていると思う。今の出来事も、自分も、そう感じずにはいられない。
最初はただのウザいやつ、何か引っかかるやつだけだった。
嫌でも仕方なく一緒に過ごすうちに沢北がどんな人間なのかわかっていくにつれてAの沢北に対する態度も変わってきた。
さっきみたいに、自分を庇ってくれたのは今回が初めてなんかじゃない。前のーーサッカー部の先輩に告白されたときだって、強引な言い寄られ方をされて困っていたところを沢北が助けてくれた。
アイツはただ、ちょっと性格がウザいだけで嫌な奴ではなかった。
…加賀海さんはこのことを気づいてほしくてこんな提案をしたのだろうかとAはふと思う。
「蒼月！早く行くぞ！！」
その沢北の言葉を耳にしたAはそのことについて考えるのをやめて『はいはい』と返事をして駆け出していった。
今日も裏庭でこっそり練習、人目を盗んでバスケ部の雑用をしていたAは風呂から上がり肩にタオルを掛けて湿った髪を靡かせながら廊下を走っていた。
『ヤバいヤバい…仕事が残って…げ』
「げ、とはどういうことベシ？」
先を急ぐAの前に現れたのは深津だった。まだ風呂に入っていないのか練習着のままだ。Aは無言で横を通り過ぎようとすると腕を掴まれた。
「どこへ行くベシ」
『夜風に当たってこようと…』
深津の質問にAが目線を逸らしながら答えると深津はじーっとAの目を見た。深津さんに嘘つくのきっつ…と思っていると深津はそのままAを引きずって何処かへ連れて行こうとする。
『え！？』
「いいから黙ってついてくるベシ」
Aはまた深津に引きずられるがままについていくことになった。
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三國。(プロフ) - 三峰さん» わー！！ありがとうございます…！！面白いって言ってもらえてめちゃくちゃ嬉しいです😭これからも頑張りますね！ (2023年2月8日 17時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
三峰 - すごい面白いです！次の話も待ってます！ (2023年2月8日 15時) (レス) @page11 id: ff36423646 (このIDを非表示/違反報告)
三國。(プロフ) - Kokoa＊*さん» ありがとうございます！！山王キャラ達と蒼月の関係性がどうなるのか楽しんで読んでいって下さい！沢北も深津さんも沢山出せるように頑張ります✨ (2023年2月4日 18時) (レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
Kokoa＊*(プロフ) - めっちゃ楽しみにしてました！凄くよかったです✨ 次もめっちゃ気になります！ (2023年2月4日 17時) (レス) @page5 id: 044d6f3aa9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2023年1月6日 8時
