THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ46
Aはそのリョータの姿を呆然と見つめていた。ふと、自分の目に手を当ててみれば濡れた感覚があった。
いつの間にか泣いていたようだ。
流れる涙を拭いながらAは試合を追い、あのことについて回想していた。
好きだったソータが事故で死んだ。
その事実を受け入れたくなかった自分はずっと海で帰ってくることのないソータを待ち続けた。
ソータの居ない世界で、自分は周りと壁を作り塞ぎ込んで生きて、沖縄を離れて神奈川にきて、そしてリョータと再会した。
牧や神、清田といういい仲間もできた。リョータが昔から伝えてくれていた気持ちにやっと気づくことができた。
自分は一人なんかじゃない。
自分を縛り続けてきたあの出来事を、今なら受け入れれるような気がする。
もうリョータをソータと重ねたりなんかしない。ソータにしがみつくような生き方はしない。逃げたりもしない。
だからといって、ソータを忘れるつもりもない。
Aは澄み切った顔でリョータを見た。
『…ありがとう、ソータ。さようなら。』
そう呟いた声は誰の耳にも届くことなく熱狂する人々の声援に掻き消されてしまった。
だが、Aの顔は何時になく晴れやかだった。…あの時のように。
試合の終わりを告げるブザーが鳴った。
７９−７８
遂に、湘北が山王に勝ったのだ。
湘北のメンバー達は喜びを爆発させてコート上で抱き合い騒いでいた。
その湘北の人たちを、会場の観客やA達海南の選手や山王の様子を伺っていた他校の選手達からの労いと勝利を祝福するような拍手が包んでいた。
よかった。Aがホッとしたような顔でまるで自分の出来事かのように安心して拍手をする。
ふと、コート上で仲間と抱き合っていたリョータが上を見上げた。
その目がAをハッキリと捉える。
リョータはAを見て笑い、赤と黒のリストバンドをつけていた方の拳をAの方へと突き上げた。
それは、かつてソータが自分やAにしてくれたみたいに。
Aはその姿を見て目を見開いた。
『…ありがとう、リョータ。諦めずに想い続けてくれて、ありがとう…』
Aは目から涙を溢しながら笑った。心の底からの笑顔で、リョータに応えるように拳を突き出した。
次回遂にリョータ編完結です！！
THE FIRST SLAM DUNK 宮城編��→←THE FIRST SLAM DUNK 宮城編��
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 196人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
