THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ39
昔、ソーちゃんが事故で亡くなったとAが知ったときのことはよく覚えている。動揺して、取り乱していた。凄い泣いていた。俺に抱きついて『なんで？なんで…ソータが…』と繰り返し言ってたのを思い出す。
再会した今も、過去を振り切ることは出来ないようだ。
あの人はいつも、俺とソーちゃんを重ねているんだ。
会って話をする度に俺はいたたまれない気持ちになる。なんで俺を見ないんだよ。
ソーちゃんはもう居ないというのに、それに縋ろうとする姿は俺を追い詰める。
俺はいつまで経ってもソーちゃんには敵わないのかよ。
昔から比較しては、みんなソーちゃんのほうが良くできているというような反応をしていた。バスケだろうが、家庭のことだろうが。
比べられる側の気持ちも考えてほしいものだ。俺だって、ソーちゃんの代わりにと一生懸命に生きてきたはずなのに、この言葉はどこでも纏わりついてくる。
長年溜まったそのイライラも遂に爆発してしまったみたいだ。
「…なぁ、Aは俺と話すとき、何を見てるんだ？」
ＩＨの初戦を突破したあと、ふと観客席にいたAを見つけて俺は声をかけた。やはりAは俺と話すときは決まって気まずそうな顔を見せる。
『なにもない…へんなこと聞くよね。どうかしたの？』
そうやって笑ったA。でも俺はその理由を知っている。
「…ソーちゃんはもうここには居ない。」
『！！』
俺の言葉は図星だったのか、Aの目が驚きたというように大きく開かれる。そしてすぐにその顔は悲しみで歪んだ。それを見たリョータは少しキレたようにして言う。
「前からずっとそうだ…俺にはバレてないって思ったのか？」
『違っ…』
違うわけない、とAは咄嗟に思って言葉を詰まらせる。それを見たリョータは追い打ちをかけるようにして言った。
「違わねぇ！！Aは…昔からそうだ！！俺のことなんかちゃんとみてくれやしない！！いつまで過去のことを引きずってんだよ！！」
リョータは何も考えずにただ感情的にAに言葉をぶつけた。その叫びはリョータの悲鳴のようなものだった。
『煩い…！！リョータにっ…私の何がわかるのよ…！！私は、引きずられてなんか…！！』
「引きずってんだろ！！ずっと昔からソーちゃんの事しか見てなかったもんな？俺がいくら…気持ちを伝えようがAは…」
リョータはふと、泣きそうな顔をしてAに向かって口を開くも、すぐに怒りを露わにした表情になった。
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
