THE FIRST SLAM DUNK 宮城編�� ページ33
アレから何年経ったっけ。Aは移動する電車の窓の外を…海をぼんやりと見つめながらそう思った。
あの日の夏、海はソータを連れ去った。大好きだった私の幼馴染のソータを私から引き剥がしてしまったんだ。
ソータが海の事故で亡くなったと伝えられた日のことを、Aはよく覚えていない。覚えていないのではなく、自分で無理矢理記憶から消した。
辛い、悲しい、苦しい
会いたい人に会えないということに耐えきれなかったAは自らその選択肢を選んだのだ。だから当時の記憶は朧気だ。ただ、負の感情だけがハッキリと残っている。
Aは自分の昔からの幼馴染である宮城ソータのことが好きだった。当時Aやソータも小学生ぐらいだったものの、ほとんど周りの公認カップルの様なものだった。
ソータはいつも明るくて、しっかりしてて、人の輪の中心にいるような…そんな人だった。
いつもAに向かって笑いかけてくれるその笑顔が好きだったのに、今はもうその顔も思い出すだけで辛くなってくる。
忘れようとして、ソータ関連の思い出の物は全て段ボールに押し込み、記憶も奥深い底に追いやった。自分を心配して哀れみの目を向ける人もいた。Aは何事もなかったのように笑って過ごした。
あのとき、自分はちゃんと笑えたのだろうか？
心がいつもどこかで悲鳴を上げていたが、それも気付いていないふりをした。
あれから、５年…もうそんなに経つのかとAは思う。
段々とソータの居ない生活に慣れていっている環境が恐ろしい。そんな自分もそうだった。少しずつ、慣れていっているつもりだ。
親の事情で沖縄から引っ越すことになってAは少し安心した。海を見なければ、思い出すことは早々に無くなると思ったからだ。
そういえば、ふと思う。リョータの家も、かなり前に何処かへと引っ越してたな。まるで、人目を避けるかのように、ひっそりと。
電車の中にいる家族に声をかけられる。Aは笑って返事をして言葉を返した。
これで、忘れることができる
そう思っていたのに、
「お前…Aか…？？」
『…リョータ…』
まさか、ここでリョータと再会してしまうなんて
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三國(プロフ) - ぼくらいさん» コメントありがとうございます！！楽しんで貰えてるなら幸いです✨これからも更新頑張りますね💪 (2023年1月10日 6時) (
レス) id: db3bdcc075 (このIDを非表示/違反報告)
ぼくらい - いつも楽しく読ませてもらっています❤️🔥 (2023年1月9日 20時) (レス) id: 9239ef16aa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：三國 | 作成日時：2022年12月31日 9時
