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A side
なぜ私は元カレの家にいるんだろうか。
しかも息子を連れて。
青「翔也くんは何歳?」
《4歳!!》
青「ねぇA、もしかして」
『うん、そのもしかしてだよ』
もうどうにでもなってしまえ。
青「翔也くんごめんね。お母さんと2人でお話したいから少しだけ向こうで遊んでくれるかな?」
そう言って1人にしては大きいテレビで動画サイトを起動する。好きなアニメある?なんて聞く翔太の顔がすごく優しくて何だか泣きそうになってしまった。全部自分が悪いのに。
青「なんであの時、何も言わずに居なくなったの」
『…ごめんなさい』
青「謝罪されたい訳でも無いし喧嘩もしたくないの。
それで、なんで勝手にいなくなっちゃったの」
『…』
青「…言えない?」
自分勝手に消えたのに今更自分の気持ちを翔太にぶつけてしまって大丈夫なのだろうか。
青「とりあえず俺はAの気持ちを知りたい」
『…あの数日前に辰哉と会ったの。その時にすごいお仕事に追われてる感じして大変そうで…翔太は全然私の前でそういう風に見せないけどやっぱり大変なのかなぁって思ったの。だから負担になっちゃってるんじゃないかって思って、だったらもう自分から消えちゃおうって』
これでついに嫌われてしまっただろうか。リスクがゼロじゃないのに引き止めて家にまで入れたの後悔しただろうか。…でもそれでいい。
青「…Aってさ、本当に優しいよな」
次に翔太の口から出たのは予想外の言葉だった。
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作者名:china | 作成日時:2020年4月26日 20時