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青 side
俺の前からAが消えて早5年。時間が経てば恋心なんか忘れてAと付き合う前の俺に戻れるんじゃないか、と思っていた。でも全くそんなことなくて5年経った今でも探し続けているしまだ想ってる。…似たような見た目の人を街で見かければ振り返ってしまう。
Aがいないこと以外は何も特別なことが起きない春の日だった。
買い物でもしよう思って街へ行く。今年のトレンドは、なんて考えながら歩いていると聞き覚えのある声がした。もしかしたら聞き間違えかもしれない。でも希望を捨てきれなくて。その方を見ると5歳前後だろうか、男の子と手を繋いで歩いている女性がいた。
その背丈はもしかして。
さりげなく前に回って見てみると
髪は短くなっているし動きやすいような服を着ていて付き合っていた頃とは雰囲気は違うけどどう見てもAで。
今このチャンスを逃したら一生会えないかもしれない。
青「あの」
Aの目線が徐々に上がって目が見開かられる。
青「Aさん、ですか」
『人違いだと思います』
声を聞いて確信した。絶対にAだ。
少々強引すぎるかもしれないけどそそくさと逃げようとするAの腕を掴む。
『…やめてください』
《ママ、この人だれ?》
青「渡辺翔太っていいます。きみ、名前は?」
上から喋りかけられるのって怖いかな、と思って少し屈んで喋りかける。
《
青「…ねぇ、話だけ聞かせてくれない?」
『…分かった』
近くでゆっくり話が出来る所なんて思いつかなかったからとりあえず俺の家に来てもらうことにした。
家族連れも住んでるマンションだしタイミングずらして入れば大丈夫でしょ。
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作者名:china | 作成日時:2020年4月26日 20時