Only me #1 ｢石川祐希｣ (ページ9)

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8.背中ページ9

夢主 side(Ishikawa side END)

飲み会後、マンションまで送り届けてくれると石川さんに押され行った

石川さんの住んでいるマンションから徒歩で行ける距離でもあった

石川)そうだ。これ、

綺麗な包み紙…もしかして、私が代わりに渡してくれないか…という意味で

石川)イタリアのお土産。どーぞ

｢……えっ、私に！？｣

石川)A以外に誰がいるの。笑

｢っありがとうございます！｣

石川)っ…

嬉しい

そういえば前まで石川さんからのお土産って…
トマトソースとか、トマトケチャップだとか…あれ、確かトマトって、石川さんの苦手食べ物だったような

｢あの…もしかしてこれ、トマトソースとかですか？｣

あ、聞いちゃった。私ったら何を期待して

石川)っあは、違う違う。家に帰ったら見て。

｢はい。有難く頂きますね！｣

これ、石川さんが考えて決めてくれたお土産なのかな

石川さんだけじゃなくて、色んな選手からお土産はもらったけれど

会話も出来ない、会えたりもできない

こうして一緒にいるだけで気が引けちゃうのに

石川)そういえば、藤井さんに何もされなかった？

｢…え、いや。何も｣

もしかして知ってて助けてくれていたんだ

ニヤニヤしていたからついおかしく見られていたのかと

石川)藤井さんが酔っている時は気をつけてね。何かあったら駆けつけるけど

駆けつけてくれるんだ

けどなんで。確か石川さんって、好きな人がいるって言ってたような

｢…ありがとうございます。｣

きっとこれは、私がマネージャーだから

気遣って、優しくされているだけ

それだけで十分なのに、モヤモヤが解けないのはなんでだろう

…ダメだ。これ以上考えるのはやめよう

マネージャーに立てたって、石川さんの隣には立てないんだから

隣を歩く石川さんからズレる

大きなものを背負っている背中が、私には眩しくて、大きくて。

憧れから溢れ出ていた思いが、色目づいていくような感覚に襲われた