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#27. しょうが粥 ページ28

目が覚めると、『起きましたか?』という声に視界がはっきり映った

いつの間に寝ていたんだろう。それに、なんかいい匂いがする



池照)お粥作ってきたんです!食べれます?



小さい鍋の蓋を開けると、美味しそうに出来上がっていた
池照さんって、料理得意なんだっけ……?



「美味しそう……」



池照)なら良かった。口に合えばいいんですけど、……はい、あーん。



「…ッえ!?」



池照)え?なんです?



なんです?じゃない。……あーんって。こ、ここ子どもじゃないのにっ



「え、あの。『あーん』って。…」



池照)…もしかして、嫌でしたか?



「違っ、嫌じゃなくて。その、…恥ずかしいと言うか」



深く考えられるほどの気力がない
折角来てくれて料理まで作ってくれたんだから、私が文句言うのも良くない

レンゲを持つ池照さんの右手を取り、添えられているお粥を口に含んだ



「ッッ、熱!」



池照)っちょ、大丈夫ですか!?えっと、水。はいっ、



手渡された水を飲んで、一旦落ち着く
すると池照さんは、フフっと笑いだした



「そんなに、面白かった?…」



池照)ふふっ、だって。いきなり食べ出すから、俺驚いて。…ふふ、



そんなツボるような事だったっけ……?
なんか、あーんよりも恥ずかしい展開になっちゃったのでは。


気を取り直して池照さんはお粥を注ぐと、フーフーして『はい、どうぞ』と進めてきた

今度はちゃんと食べられた



「っ、美味しい。」



池照)しょうが粥にしてみたんです。風邪には良いんですよ!



余り食欲が無かったのに、いつの間にかペロッと食べてしまった
こんな美味しいご飯を食べたのはいつぶりだろう……((←料理下手




池照)さっきより体調良さそうですね!今日はゆっくり休んで下さい



「すみません。私、皆にも心配かけちゃって。」



池照)きっと、仕事疲れも重なったんでしょう。何かあれば、何時でも相談してくださいね。




優しすぎる池照さんに甘えてしまう

仕事で疲れているのはお互い様なのに、池照さんは何一つそんな姿を見せない

今日、池照さんが看病に来た時は驚いたけど。


やっと、差し伸べてくれる手を握れたような気がした

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作者名:ひな林 | 作成日時:2021年6月5日 8時

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